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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

差別に無頓着なルーツを誇る番組

2019年12月25日 | 平和憲法
 ◆ ルーツごっこ (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 ひと様の家系をたどるNHK番組「ファミリーヒストリー」。指揮者の小沢征爾(せいじ)さんの祖父(新作)が山梨県で幸徳秋水をかくまっていた、と征爾さんのいとこが証言した。
 意外な取り合わせ。が、全く根拠がないと高知県四万十市の前市長田中全さんがNHKに抗議した(「秋水通信」十二月十日号)。
 小沢征爾さんにはとばっちりだが「おじいさんは義侠心(ぎきょうしん)のある人だった」と、天皇暗殺計画の冤罪(えんざい)者との関係を、子孫が誇りに思うのは悪くない。
 しかし、秋水が山梨県を訪れた形跡はない。そのころ、社会主義者や無政府主義者たちは尾行がついたにしても堂々と大手を振って歩いていた。
 「証言では秋水はまるで犯罪者、逃亡者だ」というのが、田中さんの批判だ。

 「いつ、どこで、どんな方法でかくまったのかは、わからない」とNHKは謝った、という。
 研究者に問い合わせもせず放送する。NHK番組も軽くなった。

 「売り家と唐様で書く三代目」。
 戦後改革は身分制度を解体したはずだ。いつのまにか三代目政治家たちが国政を牛耳って悪政ほしいまま。
 この時代、ルーツを誇る番組に抵抗がある。「貴あれば賎あり」。差別に無頓着だ。
 「万世一系」の新天皇を祝う安倍首相の「天皇陛下バンザイ」の大連呼は、アベノミクスお手上げのやけのやんばちバンザイだったように思えてなら
ない。

『東京新聞』(2019年12月24日【本音のコラム】)

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