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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

首都ワシントンで、日本の政権交代を体験して

2010年05月03日 | 平和憲法
 猿田弁護士は「板橋高校卒業式事件裁判弁護団」のお一人です。
 《猿田佐世のNYだより+ワシントンDC》
 ■■■ 首都ワシントンで、日本の政権交代を体験して ■■■


 8月にNYからアメリカの首都ワシントンDCに引っ越した。NY便りもまだ書きためたものがあるため随時掲載したいが、これからワシントンの情報も書いていきたい。
 ワシントンは、NYとは全然違って緑豊かなこじんまりした町。政治の町であり、ここで米国政治のバトルが行われている。この町のキーワードは「ネットワーキング」。どこに行っても名刺交換。ワシントンに来て1ヶ月だが、既にNYにいた2年間と同じくらい名刺を交換した気がする。
 日本の政権交代をワシントンから見たのは、とても貴重な体験だった。ここには、米国政府はもちろんのこと、その政府のブレインとなっているシンクタンクが山のようにあるが、各シンクタンクが、日本の選挙後、次々「日本、政権交代!日米関係どうなる?」というシンポジウムを開催した
 ■日本報道陣が頼っている米国政府情報
 日本関係のイベントは人が集まらなくなったと聞くが、このときばかりは100人、200人もの人が、連日、どのイベントにも集まっていた。
 いくつか参加したが、当然、パネリストは今までの対日外交を担当してきた人たち(でなきゃ、語るほど対日外交について知識がない)。つまりパネリストは、自民党を得意としてきて、日本に伝わってくる「アメリカ政府の声」を作ってきた人たち(「憲法変えろ」とか、「イラクに自衛隊を派兵せよ」とか言ってきた人たち。)。基本的に「対米政策について不安がある」「今までと同じ路線を採ると信じるしかない」「情報がない」といったところか。「期待したい」という声もあった。
 そりゃ不安に決まっている、これまであなた方がつきあってきた相手とは違う相手(であるはずの相手)なんだから。
 …しかし、話を聞いていると、「大変なことになってしまった。」という「懸念」ではなく、「情報がなくてわからん。」という「懸念」が大きそうである。
 …しかし、このパネリストの「懸念発言」が、数時間後、日本の新聞を飾る。

 とある日本のテレビ局が、ネオコンの正に牙城であるシンクタンクのシンポ会場で「鳩山政権になって日米関係はどうなると思いますか」という投票アンケートをやっていた(回答者はボードにシールを貼る。良くなる・悪くなるの回答欄あり。両者の真ん中にも貼れる)。
 しかし、この会場でやれば「悪くなる」という回答が多くなるに決まっている(実際、私が見た時点ではそうなっていた。)。ここでやるなら、バランスをとるため、私の働いているヒューマン・ライツ・ウォッチあたりでも聞いてくれ、と思ったが、言う機会を逃した。でも、これまた、これが日本で「アメリカの声」として堂々と報道されるのである。
 そんなシンポジウムからの発言やアンケート調査によって、「米国政府関係者から懸念が提示!!!」などと報道がなされ、日本がビビり、動かされるのだとすると…、こんな私でも、ワシントンにいて何かできるかもしれない、と思う。
 ■わずかな人によって決められる対日外交
 私自身はまだワシントン初心者だが、ワシントン在住の日本人は口を揃えて、「ごくわずかな人によって対日政策が決定されている」と話す。
 確かに、シンポジウムに行っても日米関係の実質・具体的な政策の話ができるのは5人くらい、多くても10人くらい。その10人で、アメリカの対日政策を決めてきただけなら、アメリカが勝手にやることだから構わないけれど、その5人だか10人だかによって、実際には日本の国内政治もほぼ動かされてきたということを考えると、本当に許しがたい。
 「アーミテージ・レポートは、ほぼ全て実現させた。憲法改正だけが残った課題だが。」
 という言葉などを聴くと大変いらいらする。(アーミテージ・レポートは前ブッシュ政権における対日政策の要となる文章)。
 ■さて、ワシントン。
 あと2年間滞在予定のワシントンで、何がどこまでできるか、どこまで食い込めるか、全く分からないが、あいもかわらず、ジタバタしてみようと思う。
 これをお読みくださった方。具体的に、ワシントンで私にお手伝いできることがあれば、いつでもアドバイスください!
 『NPJ通信』(【猿田佐世のニューヨーク便り】2009.10.3)
http://www.news-pj.net/npj/saruta-sayo_ny/20091003.html

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