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法律家の卵を債務奴隷にするな!

2010年09月04日 | 平和憲法
 『週刊金曜日』【風速計】 宇都宮健児
 ◆ 法律家の卵を債務奴隷にするな!


 これまで六〇年間以上にわたり、裁判官・検察官・弁護士の卵とも言える司法修習生に対しては、国家公務員の大学卒初任給相当額の給与が支給されてきた。
 しかし、今年の一一月からは、この給与が打ち切られ、生活費等が必要な修習生には一定金額を貸し付ける「貸与制」に切り替わることになっている。
 これに対し、日本弁護士連合会は、四月に司法修習生給費制維持緊急対策本部を立ち上げ、貸与制の導入に反対し、給費制を維持する運動を展開している。
 また、六月には、市民団体による「司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会」や若手弁護士、法科大学院生・修了生、司法修習生らによる「ビギナーズ・ネット」なども結成され、貸与制に反対し、給費制を維持する運動が広がりを見せている。
 このような中、最高裁判所のウェブサイトには、「司法修習生の修習資金の貸与等について」とのコーナーが設けられている。
 最高裁判所が定めた「司法修習生の修習資金貸与等に関する規則」によれば、修習資金の貸与を受けようとする者は、連帯保証人二人か最高裁判所の指定する金融機関を保証人として立てなければならないとしている。
 そして、最高裁判所が指定する金融機関は、信販会社の(株)オリエントコーポレーションとなっている。
 オリエントコーポレーションは、これまで利息制限法を超過する高金利での貸付けを行なったり、ココ山岡事件やダンシングモニター商法事件、呉服次々商法事件などのクレジット被害事件で問題となった信販会社である。
 これでは司法修習生が貸与制により多重債務に追いやられるだけでなく、保証人被害を拡散させ、また弁護士・裁判官・検察官となった後もオリエントコーポレーションに従属する立場に追いやられることとなる。このように債務奴隷に追いやられる法律家の誕生は、司法の信頼を損ない、国民にとっても不幸なことである。
 最高裁判所は、早急に規則を改定して、保証人を徴求する制度を廃止するとともに、率先して貸与制に反対し、司法修習生の給費制を維持する取り組みを行なうべきであろう。
『週刊金曜日』(2010/8/27【風速計】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/data/fusokukei/data_fusokukei_kiji.php?no=1310

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