【緊急声明】2024年9月6日
☆ 使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電が、またも詭弁!
関西電力と福井県に2021年の約束を履行させ全ての老朽原発を廃炉に追い込もう
老朽原発うごかすな!実行委員会
日本原燃は、8月23日、核燃料再処理工場(青森県)の完成目標を2026年度内に変更するとした、27回目の完成延期を表明しました。
これを受けて、関西電力(関電)の森望社長は、9月5日、杉本達治福井県知事と面談し、関電の原発でたまり続けている使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」(昨年10月発表)を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べました。
またも、原発全廃を求める多くの人々の心情を蹂躙する、白々しい詭弁です。森社長は、美浜町、おおい町、高浜町も訪れ、同様な面談を行っています。
関電が倫理のかけらでも持ち合わせる企業であろうとするなら、2021年の約束(下記参照)を完全履行し、直ちに老朽原発を停止するのが当然です。
関電は1996年に「使用済み核燃料は福井県外に搬出する」と、当時の福井県知事に約束しました。青森県の再処理工場が稼働すれば、青森県に搬出できると楽観しての約束でした。
しかし、1997年に予定されていた再処理工場の稼働は、延期を重ね、未だに稼働の見通しは立っていません。そのため、関電は「福井県外に中間貯蔵地を探す」という約束の反古を繰り返しています。
2021年、関電は、福井県知事に「使用済み核燃料の中間貯蔵地を2023年末までに福井県外に探す。探せなければ老朽原発を停止する」と約束しましたが、未だに候補地を見出すことはできていません。
老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の再稼働への福井県知事の承認を得るための空約束でした。
切羽詰まった関電は、昨年6月、使用済み燃料の一部(約200トン)を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出す計画を示し、「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」としました。
しかし、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料の5%程度で、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。
さらに、関電は中国電力と結託して、昨年8月、唐突に中間貯蔵地建設のための調査を上関町に申し入れました。原発建設に反対する住民の心情を逆なでにし、希少な瀬戸内海の生態系を破壊し、漁民のなりわいを奪おうとするものです。関電の原発電気を消費したことも作ったこともない上関や青森に、交付金をチラつかせて、中間貯蔵を押し付けることがあってはなり ません。
関電は、このように「何の成算もなく空約束し、約束を反古にしても、その口を拭うために小手先の策を弄した詭弁でさらに人々を欺く企業」です。
使用済み核燃料の行き場に関して、福井県から説明を求められた関電は、昨年10月10日、「使用済み核燃料に関するロードマップ」を発表しましたが、これによって、関電の使用済み核燃料をめぐる情勢は一転しました。
このロードマップで、関電は、再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけていますが、いずれも実現の可能性はない「絵に描いた餅」です。
それでも、関電は「使用済み核燃料搬出の円滑化のために原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討する」とし、福井県内での乾式貯蔵への布石をしました。
関電の燃料プールは3~6年後に満杯になって、原発を停止せざるを得なくなるため、プールに空きを作ろうとする詭弁です。福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しました。「原発の運転継続ありき」の出来レースです。
関電は、本年2月8日、福井県内にある全ての原発の敷地内に使用済み核燃料を一時保管するための「乾式貯蔵施設」を設置する計画に対する了解を求めて、福井県、美浜町、おおい町、高浜町に事前了解願を提出しました。
来年の着工を目指すとし、高浜原発で最大32基(使用済み核燃料768体分:2027年の運用予定 、大飯原発で最大23基(同552体:2030年の運用予定、美浜原発で最大10基(同210体:2030年の運用予定の計65基(1530体のキャスクを有する乾式貯蔵施設を計画しています。
この事前了解願に関して、福井県は3月15日、設置に向けて国に審査を申請することを了承し、関電は同日、原子力規制委員会に審査を申請しました。
使用済み核燃料の福井県内「乾式貯蔵」を許してはなりません。
何としても、関電と福井県に2021年の約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に追い込みましょう!
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