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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

GIGAスクール構想で配られた端末がいじめの温床になった

2021年09月28日 | こども危機
 ◆ GlGAスクール構想で犠牲者
   1人1台の端末でいじめ自殺
(電磁波研会報)


 東京都町田市立小学校に通っていた6年生の女子児童が2020年11月、「いじめを受けていた」などのメモを残し、自殺していたことが今年9月に報道されました。国の「GIGAスクール構想」によって、全国の小中学生の児童生徒に1人1台配られていた端末がいじめに使われておりGIGAスクール構想の犠牲者と言えます。
 自殺した児童の学校の校長は、日本のICT教育推進の旗振り役として知られ、文部科学省の各種委員を務めてきました。
 「あえてルールを設けず、子供の自主性に任せて、失敗のなかで学ばせる」というこの校長の方針のもと、同校で配布された端末(クロームブック)は、時間制限なくゲームし放題、YouTube見放題でした。
 しかも、IDはクラス6とに前半が同じ数字で、末尾の3ケタが出席番号、パスワードは全員共通の「123456789」と設定されていたため、他人になりすましてログインして、クラウド(ネット上の保存場所)に保存されている作成中のスライドにいたずら書きをするなど、やりたい放題の状態だったといいます。
 自殺した児童の同級生2名が、配布された端末から「○○(自殺した児童の名前)、ウザイ」「まじで死んでほしい」とチャットでやりとりしていました。
 本来は書き込んだ本人たちしか見られないはずですが、多くの同級生が本人になりすましてのぞき見して、悪口について知っていたことが、遺族が同級生から証言を集めて分かりました。
 そのうち、他の児童もいじめに加わりました。自殺した児童自身も配布された端末から見て、知ることになりました。
 ◆ わずか1年で全国の児童生徒へ

 GIGAスクール構想は、子どもの教育のためではなく、経済対策でした。東京五輪・パラリンピックで盛り上がった景気は、終了後に反動で落ち込むだろうとの予想から、その対策として出発しました。
 その後のコロナ禍を奇貨として計画を前倒しして、わずかほぼ1年で国内すべての児童生徒に端末が配布されました。
 子どもの電磁波曝露を増やすだけでなく、教育のICT化は逆に成績を下げるという研究報告もある(会報第128号参照)中、そもそも愚策なのですが、おまけに拙速さという問題点も加わりました。
 ICT教育の先駆者と言われる校長が率いるこの学校でさえ、上記のような極めてずさんな運用をしているのですから、全国の多くの学校現場で問題が起きていることが想像できます
 ◆ いじめが家までついてくる

 「端末が悪いのではなく、いじめが悪い」という反論もあるでしょう。しかし、一般的にネット上のいじめは、通常のいじめとは違い、ネット環境があれば24時間どこからでもいじめが行われる可能性があります。また、外部からいじめがわかりづらいという特徴もあります。
 つまり、ネットにつながる端末は、いじめを助長するのです。

 亡くなった児童の母親も「自殺の直接の原因はいじめですが、学校で配られたクロームブックがそれを助長し、娘を追い詰めた面もあるのではないでしょうか?」と話しています。
 9月13日、亡くなった児童の遺族と代理人弁護士は、文部科学省記者クラブで事件についての会見を開きました。遺族は
   「(端末は)家に持って帰るので、いじめは家までついてくる。親が寝ている時もついてくる」
   「学校は端末上で起きたいじめを放置し、適切に対処しなかった。GIGAスクール構想で配られた端末がいじめの温床になっていて、全国に娘と同じように苦しんでいる子どもがいるのではないか。安全性を担保してほしい」
   と訴えました。【網代】

 ※ 参照 森下和海「【告発スクープ】小6女子をいじめ自殺に追い込んだ「一人一台端末」の恐怖」(プレジデントオンライン2021年9月13日)
『電磁波研会報 第132号』(2021年9月26日)


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