パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

くるくる変わる任命拒否の「理由」、だけど本音は皆知っている

2020年11月11日 | 平和憲法
 ◆ 思想の調整とはなにか (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 「参った、参った、あっははっは」。東宝映画の無責任男・植木等の高笑いが懐かしい。国会の衆参予算委員会。テレビ中継をみているだけで息苦しくなった。
 首相席にいて、野党議員から追及されてしどろもどろ、絶句して目をシロクロ。傍にしゃがみこんで耳打ちするお役人がいないと、なんにも答えられない。
 「学者いびりはもうやめた。あっははっは」と降参してしまえば、気が楽になるのに。
 「政府に盾突いたから任命しなかった」。それが本音と皆が知っている。
 彼の国の大統領のように口からでまかせの饒舌(じょうぜつ)も困るが、口をへの字に曲げた「知らしむべからず」は民主主義的でない。
 首相就任直後の発言は「政府が十億円を払っているのだから」人事に介入できる、との言い方だった。
 このとき「総合的、俯瞰(ふかん)的活動の確保」が数回繰り返された。
 そのあとバランス、多様性が強調された。つまり、学術会議は偏向している、とのイメージ操作である。
 五日の参院予算委員会で出てきたのが「事前調整」の事実だった。
 三年前から政府と学術会議との間で人事の事前調整が行われていた。が「今回は調整が働かず、結果として任命に至らなかった」と首相が認めた。
 排除された六人の学者は調整外、はみ出し者だ。
 政府が認めない学問、思想の自由とはなにか。日本の首相は答えられなかった。
『東京新聞』(2020年11月10日【本音のコラム】)

コメント    この記事についてブログを書く
« オスプレイ抗議集会に「野党... | トップ | 求められている「行政改革」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事