人類に最も近縁な動物はチンパンジー(ボノボ)と言われており、DNAレベルで98%以上一致しているらしい。そのチンパンジーと人とを並べて見たとき外見上大きな違いがあるのが判る。人は直立しているが、チンプは背中が丸い。しかしそれ以上に違う部分が有る。チンパンジーは毛むくじゃらで、人はつるっとしてる。(チンプなみの奴もいるという突っ込みはなし) そう、人には哺乳類特有の毛皮が無いのである。これは人類発生史上の謎であり、従来の学説では説明がつかない。サバンナ説が現在最も有力な人類発生説とされているが、森から隔離された類人猿が乾燥・灼熱のサバンナで毛皮を脱いだ、などと言うことはマトモナ頭が付いていれば到底言えないだろう。毛皮は有効な断熱材であり、サバンナで毛皮のない哺乳類など存在しない。また人類は発汗による体温調整メカニズムを採用しており、乾燥サバンナではすぐに干上がってしまう。
人類は水辺で発生したという説がある。(W水生類人猿説) 人類には毛が無いが皮下脂肪がある。(しばしば、有りすぎる。) かたや、チンパンジーには、ほとんど皮下脂肪は無い。毛がなくて皮下脂肪で体温保持をするのは水棲哺乳類の場合である。人類水棲説を支持する理由を挙げると、チンプは全く泳げない、水を怖がる、人はよく泳ぐ、生まれたばかりの赤ん坊は全員良く泳ぐ。人は息を止めて潜ることが出来る、チンプは心臓を停止できないと同様に呼吸を停止できない。人には水かきがある、貴方の親指と人差し指の間にあるのがそれだ。水泳平泳ぎの北島は練習を続けると、水かきがかなり大きくなるらしい。あなたの鼻の下にすじがあるだろう。これは潜水中捲くりあげて鼻を塞ぐためのものです。以前、TVでインドネシアの水上生活民族のドキュメンタリーを放映していたが、彼らは潜水の際、見事に上唇のすじを鼻に当てていた。その他、対面sexは水生動物だけだ、とか頭髪は泳ぐ際に直射日光から保護する為だとか水棲説の傍証は多くある。
数年前、愛知万博が開催され目玉展示として、世界最古(700万年前)の人類化石トゥーマイが展示された。この化石が発見されたのはチャド湖の近くで、一緒に見つかった動物化石から当時の生息環境は水の多い現在のオカバンゴ・デルタの様な環境であったことが確認されている。これは人類学上、衝撃的な発見でサバンナ説の見直しが迫られている。
水辺に住むサルのメリットは、ライオンなどの肉食獣に襲われた場合、水中に逃げ込むことで逃れる事が出来る。また水辺には貝などの食料が豊富に有る。そして深みに進もうとすると自然に二足歩行になる。
もう一つ、重要な点がある。人類が文明を持つことが出来た大きな理由に言語がある。アメリカの言語学者の夫婦が、チンパンジーの赤ん坊を人間と同じように育てて言葉を教えようとしたことがある。しかし、チンパンジーは最後まで言語をしゃべることは無かった。ところが、このチンプは手話を覚えて、手話による高度なコミニュケーションをとることが出来た。つまり、言語概念を習得する能力はあったが発声が出来なかった、と言うことになる。 なぜか? 答えは呼吸制御にある。上でも書いたとおり、チンプは息を止めることが出来ない。人は自由に息が止められる、だから、しゃべることが出来る。
人類は水辺で二足歩行を可能にし、毛皮を脱ぎ捨て、しゃべる能力を得た。 私はそう信ずる。
補足
人間は水中出産が可能で,生まれたての赤ん坊も水から取り出すまで産声(肺呼吸開始)をあげないらしい。 以下、水中出産したお母さんの感想
"私は1人目は病院で出産したのですが、水中出産を経験してしまったらもう他の方法では生みたくない、というくらい本当によかったです。 "