そこに今回のサミット議長で、本来は裁定役であるはずのトルドー氏まで食いついて議論を始める始末だから話は進まない。同行筋は「裁定役がいないから、最後はすべて安倍首相に頼ってくる」と苦笑する。
貿易問題でも、各国が関税率などの数字を挙げてトランプ氏とやり合った。そしてトランプ氏が日本を除く5カ国の反発を受ける度に、困って振り向く先は安倍首相だった。
「シンゾーの言うことに従う」「シンゾーはこれについてはどう思うか?」
安倍首相も本来は欧州、カナダに近い立場だ。だが、世界貿易機関(WTO)に批判的なトランプ氏にも配慮し、言葉遣いを選んだ上でこう投げかけた。
「WTO体制には機能が不十分な面も確かにある。できるだけルールを強化するのはどうか」
するとトランプ氏は「う~ん」と言いながらも矛を収めた。ドイツのメルケル首相は、こう言いながら安倍首相にウインクした。
「みんなでWTOを作ったのに、朝起きたらトランプ氏のツイッターで関税を25%かけられると知った。どうしたらいいの」
結局、再び「シンゾーどうだ?」が繰り返され、トランプ氏は最後にこう言って去っていったという。
「きょうは、素晴らしい会議だった」
(ケベックシティー 田北真樹子)http://www.sankei.com/politics/news/180610/plt1806100009-n2.html
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