pianon イルギ

イ・ジョンジェを筆頭に、

韓国男優にハマリ過ぎて睡眠不足の毎日…。

んが、楽し過ぎて止めれんドォ~!

『受取人不明』

2005-06-03 | 映画
     
『受取人不明』 ’01 監督・脚本 キム・ギドク
             主演 ヤン・ドングン、 パン・ミンジョン、 キム・ヨンミン

今回の韓流祭(←適当に略すナ)の中で、一番見たかった映画。
んが、キム・ギドク監督の作品って、後味悪い映画が多いんだよネ
なのに、また次の作品が観たくなる、怖いもの見たさってやつ?不思議なんだナ~。

昨夜は、スンホンやサンウ映画じゃないんだから、ガラ空きだろう~と思って行ったら
これが補助席が出る程の盛況振りで、ビラ!
睡眠不足&20:20~上映だから途中寝ちゃうか?と思いきや、キモイ・痛い・辛いで、寝てらんネ~
感動とか、何度も観たいって映画ぢゃないけど、今だ尾を引いております…。


↓毎度のごとく、遠慮なくネタバレ書きます。


本編の前に、スクリーンに“動物の安全を確保しております”ってな表示が…。
そう言えば、先に観た人が「犬がドウのコウの~」って言ってたけど……何だか嫌な予感~~
そしたらア~タこれ、『吠える犬は噛まない』どころの騒ぎじゃぁ~ござんせん
犬商人(って言うらしい)が、犬を捕まえ、吊るし、叩き、さばくシーンがけっこう多くて
愛犬家としては、見るに耐えらんネェ~~~ でもシッカリ最後まで見たわサ。
映像として全てを見せるのではなく、影だったり、音だったりで表現してる部分もあるんだけど
これがまたアレコレ想像しちゃって、映画とわかっててもワンちゃん達が気の毒で…

さて、物語は…1970年代、米軍基地がある村での出来事。
観る前は、ヤン・ドングン主演かと思ったら、他の若者2人も主役みたい。
さらに、脇役と呼ぶには申し訳ない位、どのキャストも主役級の良い演技してるんだナ~!
それに、出てくる人達が何かしら悩みや傷を持ってるのよネ…

    

チャングク(ドングン)は、米兵とのハーフで母親と2人暮らし。嫌々ながら犬商人の仕事をしてる。
ウノクは、幼い頃、兄が作ったオモチャの銃で右目を傷つけ失明し、いつも前髪で右顔を隠してる。
ウノクが好きなジフムは、貧しいので学校に行けず肖像画屋で働き、いつも給料をチンピラにタカラれてる。
3人3様、コンプレックスを持ってて、世間からある意味、差別されて生きてるのダ

この3人、それぞれが犬に対する想いがあって、ウノクとジフムは犬には心許してるんだナ。
チャングクは、いくら仕事とは言え、犬を殺すのは抵抗あって、他の仕事を探してた。
彼等は、自分達も世間からは犬と同じ扱いをされてるんだ、って思ってたのでしょうか…

ギドク作品の常連?チョ・ジェヒョンが、犬を入れる檻を積んでバイク走らせるんだけど、
冒頭で、この小さな檻にチャングクがスッポリ入りこんで移動するのヨ。
何だか、彼が犬扱いされてるみたいで、うまく言葉で現せないけど、いきなり切なかった。
んが、最期はチャングクが仕返しをして、ジェヒョンの足を撃ち、この檻に入れちゃうんだナ。
そんなジェヒョンも、犬商人って職業で、世間から冷たく下げずまれてる側の人だったけど…。

    

ウノクは、目の手術費を出してもらう事が条件で、米軍の男性と付き合う事になるけど、
この気持ち少しわかる…。女の子なら堂々と顔を出して歩きたいものネ。まして思春期だし。
彼女、深津絵里を少し冷たくした感じなんだけど、千倍のオーデイションから選ばれただけあって、
ニラミきかせた顔は恐いし、汚れ役な割りには嫌みがないし、透明感みたいなものがあった。

意外にも泣けたシーンがあった。
ウノクが手術して、白目が黒目となり、前髪を上げてジフムに会いに行くシーンと、
ジフムの飼ってた犬が売りに出され、矢で打たれながらもご主人様の家に戻って来た姿に…我涙

逆に、シリアスなのに笑っても良いのか?ってシーンもいくつかあって、場内からも笑い声が。
チャングクの最期の姿…申し訳ないけど笑えた。『犬神家の一族』(?)で、あんな足を見た記憶が…。
しかし、彼はどれ位の期間、埋まってたんだろう?見つかった時は雪が降ってたけど、
オンマは、その間どうやって暮らしてたんだろ?食べる物あったのかな?と、
まるで村の一員になった気分で映画観てた。それより、彼が誰にも発見されなかった事が不思議…。
そうそう、オンマが咄嗟に機転きかしてチャングクの周りの凍った土を焼いたのには拍手
私なら動揺して、爪が割れようが、必死に周りの土を掘る事しか思いつかないワ~

このチャングクのオンマ、とっても若くて、最初はチャングクの彼女かと思った
このオンマ、チャングクの父親(米兵)に手紙を出すけど、毎回“受取人不明”で戻ってきちゃう…。
そんな母がチャングクは嫌で、つい暴力を振るってしまうのよネ…。
 
        

主役の3人は、ただでさえ恵まれない境遇なのに、さらに恨みも加わって、遂には破滅の世界へ
希望も、救いようもない展開だけど、もっと他の生き方は見つけられなかったのかな…。
(私、まだギドク作品を理解しきれてないのかも…恥

実は、昨夜一緒に見に行った友達は、昨日が誕生日だった(チュッカヘ~
なので、もっとハッピーエンドな映画の方が良かったのでは…と心配したけど
彼女が観賞後「私は幸せなんだワ~」と言ってた。うん、確かに私も平和な毎日を改めて実感した


 ↓偶然、今日届いた亞洲超級電影中心さんからのメールで紹介されてた。
「受取人不明」(☆5個)絶対見て! これぞ、キム・ギドク。映像作家の底力をみせる。
  痛い映像をギドク演出で撮る、これぞ映画。
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