ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

燐光群公演

2008年07月04日 | 主催事業
今月16(水)日・17日(木)に上演する燐光群+グッドフェローズ公演「ローゼ・ベルント」。
東京公演が6月30日から調布市せんがわ劇場で始まりました。

本日、東京公演の劇評が朝日新聞に掲載されましたので、一部ご紹介します。


『(前略)
燐光群の舞台は、21世紀を生きる私たちの不安を強調する。
番匠谷英一訳を踏襲しながも、食品偽装事件をはじめとする最近の事件が織りこまれた台本は翻案に近い。
原作の農村は食品加工工場になり、キリスト教は怪しげな振興宗教に置き換えられる。
国土全体が工場化し、疑似宗教がはびこる日本の縮図が浮かび上がる。
自然を産業化する道をひた走るこの社会は、100年前のローゼの悲劇を今でも繰り返しているのではないか。
坂手はこう問いかける。
(中略)
終幕、占部は繊細さをかなぐり捨てて激情を示す。
能の後シテにも似た変貌を遂げる占部とともに、100年前の世界が現在に重なる。
「蟹工船」が再び読まれ出した今、この舞台は歴史がまだ終わっていないことを告げている。」
 --------新野守広(独文学者) 朝日新聞 2008年7月4日(金)夕刊より

舞台写真は、手前左からローゼ役:占部房子 フラム社長役:大西孝洋
撮影=古元道広


ピッコロシアター公演では、17日(木)終演後、演出の坂手洋二さんと、南河内万歳一座座長の内藤裕敬さんとの
アフタートークも予定しています。

今に重なる100年前の悲劇――
この舞台は、今年の演劇界では絶対に見逃さないで頂きたい一本です。


広報☆古川