ぴらにあは小さい頃、エレクトーンとピアノを習っていた。ある日、いきなりでかいエレクトーンが狭いぴら家に運ばれてきたのはビックリしたけど、どうやら流行モノ大好きの父親(現じじ)が、どこぞて買ってきてしまったらしい。「アンタが習うって言ったから買った!」という両親の証言と、「買ったんだから習え!」と言われたというぴらにあの記憶と、どっちが正しいのかは今となっては藪の中・・・
事の始まりはさておき、5才から中学校を卒業するまでダラダラやっていたから、いい加減に習っていた割には、それなりに弾けるようになった。先生も不真面目な生徒によくつきあってくれたと感謝しているけど、その先生が面白い人だった。年は自分の母親(現ばば)と同じくらいだと思うけど、「これが自分の母親と同じ日本人の女性なんだろうか?」と思うくらい雰囲気が違う。(ばばさん、誤解のないように。他意はありませんから・・・)
先生はかなりのお嬢様の出で、自宅でお坊ちゃんお嬢ちゃん相手にピアノ教室を開いていた。家の中なのにいつもパーティーに行くようなドレスを着て、ヘアーもお化粧もバッチリ決めて、大きな宝石のついたアクセサリーを飾って、見た目はまるでテレビに出てくるような歌手か大女優さんか・・・。それがケバケバしくなくて自然だから、子供ながらに不思議だった。先生にはぴらにあと同年代の息子さんが2人もいるのに、全然『おばちゃん』じゃなかった。家の中はホコリ一つ落ちて無くて、ホントに外国映画のセットのようだったし・・・。エレクトーンの練習は正直言って嫌いだったけど、先生がどんな美しい姿で現れるのかに興味があって、毎週通っていたような気がする。一度、どうしても先生の素顔?を見てみたいと思って、朝早く(7時頃)に訪ねていった事があるけれど、いつもの通りバッチリと決めた先生が玄関に現れて、見事に先生のスッピン作戦は失敗に終わった・・・
そんな先生の顔を久しぶりに見たくなって、ちぴらと2人で先生の家に遊びに行く。あれから○十年、どんなに婆さんぽくなったかと思っていると、やっぱり前のまんまの美しい先生が出てきた。家の中も家具から置物から当時のままでピカピカに光って、いったいどうやって掃除やお化粧をしてるんだろう。そうだ、隠しカメラを持ってくればよかった・・・