ぴらにあが小学生の頃、やたら熱中したテレビ番組がある。教育テレビの通信高校講座、見ていても意味はほとんどわからなかったけど、地学の先生が大好きだった、熱烈なファンといった方が正しいだろうか。今は亡き東大名誉教授の竹内均(たけうち・ひとし)先生、略してタケキン先生・・・
タケキン先生は容姿からしてインパクトがある。サンダーバードのブレインズ博士がおじいさんになったような感じで、「どこで買ったの?」という分厚いベッコウのメガネがトレードマーク。かなりお高いと思うけど、今ならワシントン条約で輸入禁止間違いなし・・・。その先生はプレートテクトニクスの第一人者で、簡単に言うと噴火や地震の専門家だ。日本沈没という映画(丹波哲朗も出ていた)で、実名で出演していたし。その先生の授業では、マグマやマントルの話がよく出てきて、それを丁寧に熱く語る。とても小学生に理解できるような内容じゃなかったけど、タケキン先生の知的な語り口を聞いていると、ぴらにあにはプレート理論が何か素晴らしいモノのように感じられた。説明の中にたびたび出てくる「地底内のマグマが・・・」というフレーズがやけに印象に残っていて、小さい頃によくマネしていた事を、ふと思い出した。今日の忘年会の席で・・・
同席していた職場の人に聞いてみると、みんなあの有名なタケキン先生を知らないと言う。タケキン先生に失礼だな!と思いつつ(どういう意味だ?)、せっかくだから久しぶりにやってみる。「地底内のマグマが~・・・」、やっぱり誰も知らない・・・と思ったら、一人腹を抱えて笑っているおじさん。ぴらにあより少し年上で、理系の大学を出た人だ。「似てる~、ソックリだよ~!」と絶賛するおじさん、調子に乗って「地底内の~・・・」と繰り返すぴらにあ。そのうちに、タケキン先生を知らない人も「地底内のマグマが~・・・」とマネしている。いつしかみんな、タケキン先生のとりこ・・・