キース・ジャレットのソロピアノの白眉、ケルンコンサート"The Köln Concert"です。
キース・ジャレットのソロピアノとの出会いはおそらく30年ほども前のことだったと思います。
あるバーのスピーカーから流れていたピアノのソロ演奏。
クラシックのようでもあり、ジャズのようでもあり、ゴスペルのようでもあり、1973年頃のクリムゾンを想起させるようなアブストラクトな面もある。
これまで聴いたこともない音楽。
しかも、ピアノの向こうから、何やらうめき声やら、スキャットもどきやら、ピアノを叩くような音が聞こえてくる。まさに衝撃。
しかし、誰の演奏だかわからない。
当時ロックしか聴いていなかったし(今も!)、周りにジャズやクラシックに詳しい友人もいなかった。
結局レコード屋のお兄さんに聞いて、それがキース・ジャレットというアフロヘアのピアニストであることがわかりました。 最初に買ったのは、1973年のブレーメンとローザンヌでのライブを収めたLP3枚組のソロコンサートという邦題のグリーンのボックスセットでした。
キースのソロピアノを聴いていると、ある場面ではまるで広い草原にいるような開放感を感じ、またある場面では内なるコズモを感じざるを得ないような気分になります。
最近、オフィシャルリリースはされていない1975年のブレーメンでのライブを聴く機会があり、久しぶりにキースのソロピアノに戻ってきました。
懐かしのブレーメンとローザンヌから、初期の作品"Facing You"、ブレゲンツとミュンヘンの完全版と聴いてきて、ソロピアノの中では一番と評価宇する人も多いケルンコンサートに至りました。
個人的には、懐かしさもあってローザンヌでの演奏が好きですが、スピリチュアルな雰囲気に満ち、繊細なケルンも素晴らしいです。