70年代に活躍したミュージシャンの未発表ライブ音源が発掘され始めたのはもうだいぶ前のことですが、ここのところ目立つのは当時FM放送された音源の発掘。
大半はミュージシャン本人の了解をとったとは思えない。ラジオ局が提供するライブも多かったようで海賊盤というわけではないが、怪しいレーベル名、粗雑なジャケット、適当なタイトル・曲目表記が特徴。
しかし、音質には問題ないものが多く(そうでないものも少なからずあります)、Amazonなどで買えるし、海賊盤より値段も安いのでつい買ってしまう。
さて、アメリカのブラス・ロックバンド、シカゴの最近続々とリリースされている未発表ライブ。
シカゴは、1969年にシカゴ交通局というすてきなバンド名でデビュー以来、なんといまだ現役。
つまり50年近くも続いているご長寿バンド。しかも懐メロバンドではなく、昔ほどではないにしてもちゃんとニューアルバムを出している。すごいバンドです。
しかし、誠に申し訳ないが私にとってシカゴというバンドはギター兼ボーカルのテリー・キャスなのです。
愛らしいクマさんのようなルックスと、豪快かつ繊細なギターとボーカルは唯一無二の存在でした。
"Colour My World"なんてバラードを聴くと毎回ため息が出ます。
そのテリー・キャスは1978年に不慮の事故でなくなってしまった。
テリー・キャスが亡くなり、バンドはソフトロック路線に走り、シカゴは私の興味の外に行ってしまった。
手に入れたライブもすべてテリー・キャス存命時のもの。
1969年のテキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバル、同年のトロント、1974年のテキサスのルイスビルでのライブ、そしてテリーが亡くなる前年1977年のニューヨークでのライブ。
テリー・キャスがいるだけで満足ですが、やはりデビュー間もない1969年のライブがいいかな。
音質もいろいろだし、演奏もドタバタだけど、勢いがあります。
1977年のライブは"Terry's Last Stand" というタイトルですが、テリーのラストライブハム少し先だったはず。この当たりもいい加減ですが、まずまずの音源で各時代のライブが聞けてとても満足です。
これからも、シカゴに限らず当時ラジオ放送されたライブのリリースが楽しみです