片岡義男の最新エッセイ集、「珈琲が呼ぶ」を読み終わりました。
片岡義男といえば「文房具を買いに」、「なにを買ったの?文房具。」、「万年筆インク紙」という読み応えのある、そして他の文具本とは全く異なる視点の著書で、我々文具ファンを楽しませてくれます。
「珈琲が呼ぶ」は、タイトルどおりコーヒーにまつわるエッセイですが、過去のものを集めたわけではなく、コーヒーをキーワードに新たに書きおろしたようですね。そんなエッセイの中に一篇だけ文房具に関するエッセイが入っています。タイトルは「万年筆インク紙」。先の著書と同じタイトルです。
著書「万年筆インク紙」について、喫茶店で雑誌のインタビューを受けるという書き出しー
しかし、このエッセイの大半は万年筆の話。ざっと説明すると…
小説のアイデアメモを万年筆で書こうと思い立つ。
軸の上の方を持ち、ほとんど筆圧をかけない特殊な持ち方のため、なかなかこれという1本が見つからない。
結局100本試して1本の万年筆が見つかった。
それは国産の2万円の万年筆。
その万年筆は1万円、2万円、3万円とシリーズになっている…
文具好き、万年筆好きならここまで読んでピンときますよね。
そう、これはどうやら、まちがいなく、パイロットのカスタム742‼
ちなみに1万円のは(カスタム74)使いものにならないと一刀両断しています(笑)
片岡義男は7本のカスタム742に、異なる7種類の青インクを入れていると。
どこの何のインクを入れているのかはわかりませんが想像が膨らみます。きっとブルーブラックなんかも入れているんだろうなあ、なんて興味は尽きません。
青インクといっても様々種類があるので、どのインクを入れるか相当迷ったようで、ひとつに絞らなくていいからかえって迷うと書いてます。そのとおりですね。