地下鉄を降りてエレベーターの前で
ボタンを押そうとした時
さっと小さな手が現れて ボタンを押した
下を見たら ウサギがいた
いや でも よく見たら 帽子だった
ドアが開いて 僕とその子と
その子の妹を抱いたお母さんは
エレベーターの中に入った
お母さんは
「 小学生になったのに 幼稚園の子みたいだよ~ 」
なんて その子をたしなめて
僕に 「 すいません 」 っていった
僕は そのウサギの帽子をかぶった子に
エレベーターが上に行くボタンと
ドアが閉まるボタンを指で差して教えてやり
「 押しなよ~ 」
といってあげた
エレベーターを降りたとき ウサギ帽子は
にっこりと笑って
「 ありがとう 」っていったよ
僕は ウサギ帽子を撫でてやり
「 イイ子じゃ~ん 」
といって 改札口を出た
お母さんが うれしそうに
「 ありがとうございます~ 」 っていった
僕もうれしくなって
今週の疲れも忘れてしまった
それでね~
なぜか うさぎリンゴを思い出して
食べたくなった
それだけの話だよ~
銀の龍の背に乗って