翌日、横浜の「日産自動車」に勤めている息子を呼び出し、一緒に「ドガ展」を見に行くことにしました。
「桜木町」は久しぶりにきてみて、その人の流れの多さにはやはり驚かされるものがあります。
このあたりは、いろいろな層の人達が住んでいて、とても活気があるのがわかります。
歩いて10分ぐらいのところに、「横浜美術館」があり、外から見るとあまり人が来ていない様に見えますが、中に入ると人で一杯で「ドガ」の人気の程がわかりました。
このパンフレットはそこでもらったものですが、「エトワール」という「ドガ」の代表作がのせられた、とても魅力的な「パンフレット」になっています。
最近、BS等で「ドガ」について、よく紹介されていますから、絵に興味のある方はよく知っている作品だと思います。
私が普段から驚いていることの一つに、この作品が「パステル」で描かれているのにもかかわらず、ほとんどの人が「油絵」だと思っていたことがあげられます。
日本人の「絵」に対する見方が、依然として「油絵」という固定観念しかないということは、さびしい気がします。
テレビでも紹介していましたが、この「踊り子」の「衣装のディテールの感触」は「油絵」では出せなく、「パステル」でしか表現ができないことが良くわかりました。
実際に、本物の前に立つと、そうしたことが手に取るように理解できます。
息子も、この絵は知っているらしく、長い間見ていました。
「ドガ」は、「バレエダンサー」を描くために、毎日のように「パリ」の「オペラ座」にかよって、その動きを研究していたようです。
また、舞台裏の「踊り子」の何気ないしぐさにとても興味があり、それらを描いた「パステル画」がたくさん残っています。
この絵も「美術の教科書」によくのっている作品で、一度は見たことがあると思います。
また、「ドガ」は当時の生活の様子がわかるような作品をたくさん描いており、この「浴女」や「洗濯女」「飲み屋」「歓楽街」「競馬場」等の人々の普段の生活のワンショットをさかんに描いています。
「ドガ」は結局、「動き」と言うものに、とても興味があり、それを一生涯かけて追求した画家だと言いえます。
「ドガ」が「写真」に興味を持ったり、「踊り子」や「競馬」に興味を持ったのも、そうした彼の根底にある視点がこうした作品を生んでいる要因になっているように思えます。
その証拠に、彼の未発表の「踊り子」の塑像をたくさん作っています。
それは「動く美しさ」を追求した、彼の集大成のように思えてなりません。
「六本木」からその後「渋谷」へ向かいます。画像を見るとわかりますが。「渋谷」は人で一杯です。
「人」と言う流れが町全体を流れていて、大きな「大河」のようにも見えます。
駅前では、小さな「コンサート」のようなものをしていて、町全体がとても華やいだ感じがします。
こうしたところに、若い人がむらがってくるのも、理解できるような気がしました。
以前「ニューヨーク」に行った時、いろいろな人種の人がいて、とても「エネルギシュ」なものを感じましたが、それに近いものが感じられます。
その駅から歩いて10分ぐらいのところに、「Bunkamura ザ・ミュージアム」があります。
そこで今、「モネとジヴェルニーの画家たち」展を開催しています。それを是非見たいとこの場所に来ましたが、やはり「モネ」の人気は大変なものがあり、たくさんの人が来ていました。
日本人は「印象派」の画家がとても好きで、その「光」をテーマにしたものが日本人の目にはとても理解しやすいものがあるのではないかと思っています。
特にこの「モネ」は「自然」をテーマにした作品が多く、そうしたことも人気の一つの要因になっているようです。
「モネ」の絵画展を見てまわって思ったことですが、彼は同じ題材を何度も繰り返して描いています。
「積みわら」の習作シリーズでも、時間を変えて描いたり、季節を変えて描いたりして、その絵画に対する真摯な研究態度がわかるような軌跡が確認できます・
「ゴッホ」もそうでしたが、こうした偉大な人ほど同じことを「繰り返し、繰り返し」行っていて、その探究心は人並みではありません。
我々「凡人」はすぐに、「彼らは天才だから私たちとは違う」と言う言葉で片付けてしまいますが、それは大きな過ちで「続ける」「繰り返す」ことの重要性を教えてくれているようで、とても勉強になりました。
また、彼らの絵から私なりに「絵のヒント」らしきものがわかり、大きな収穫でした。
こうしていろいろな作家の作品を見ることは、絵を描く人にとってとても大事なことのように思われて仕方がありません。
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