英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

オタクは悩んで成長する

2007-01-15 | イギリス
ニック・ホーンビィ「ハイ・フィデリティ」

ロンドンで中古レコードショップを営む男ロブのお話。レアなものしか扱わないその店はオタクの聖地。2人の従業員も年期の入った病人です。ロブは何かと言うと自分でベストランキングをつけるのが趣味。冒頭いきなり、これまで分かれた女性のランキングから始める次第。全編通して60年代以降のブリティッシュサウンドがてんこ盛り。加えて、この翻訳本のすごいところは、文中に出てくるミュージシャン等に全て詳細な注を入れ、訳者あと書きの中に入れていること。知らないミュージシャンの名前を読み飛ばそうにも許してくれません!「ぼくのプレミア・ライフ」でサッカーで語るイギリス現代史を表した作者が今度は音楽でイギリスを紹介します。
ロブはよく自分のベストセレクションカセットを作っては、人にプレゼントします。そう言えば、最近作らなくなりましたね。レコード全盛時代、エアチェック全盛時代は色々なセレクトカセットが私の部屋にも転がってましたっけ・・・・。彼女もいないのに、彼女と聴くセレクションとか・・・あー、恥ずかしい! 今はiPodに詰め込めばいいだけだもんな。
この本、けして単なる音楽オタクの話ではありません。むしろ現代イギリス人が日常何に悩んでいるかを詳らかにしているお話です。どうしてそんなことまで気にしているんだよ!とちょっとイライラするぐらい・・・。
このお話は舞台をアメリカに変えて映画になっています。この映画もなかなか楽しめます。ブルース・スプリングスティーンがちょっと出演したりして・・・。でも映画ではジャック・ブラックの快演につきるでしょう。この映画を観れば、次には「スクール・オブ・ロック」を借りるはめになりことは必至でしょうね。


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