~聴覚障害6級~

話せる。歌える。
聞こえているけど聞き取りにくい。
感音性難聴者が適当に呟きます。

ディスレクシアという学習障害

2014年12月12日 | 雑記
先日の日テレ「ザ!世界仰天ニュース」内で放送された「子どもを守れスペシャル」は、
とても興味深い内容でした。

ディスレクシアと言う学習障害に悩み成長した男性(現在52才)の実話でした。

ディスレクシアと言う障害は、難聴とは真逆に思えたけれど、
周囲に誤解されると言う共通点があって、自分と少し重ねてしまいました。


男性は、何度練習しても、字の読み書きができず、
子ども時代、自分は馬鹿なのか、怠けているからできないのかと悩み、
周囲に理解してもらえない苦しみをイヤと言うほど味わってきたようです。

頭の回転が早く運動ができ、人々を笑わせるのが得意なだったため、
「そんなこともできないのか」「馬鹿なのか」と言う誤解も多かったと。


当時は、親も先生も、そして彼自身も、それは学習障害だと言う認識もなかったので、
字が書けない、字が読めないことを責められ、クラスメイトからは笑われ、
努力しても補えず、そして隠すようになったと。

転校先の担任の先生が気付いて、他の児童とは違う形式でテストをしてくれ、
初めてテストで高得点を取り、「僕は馬鹿じゃなかったんだ」と自信がついたものの、
エコひいきだと抗議があり、担任もそれ以上できなかったと。

今なら学習障害の研究も進んでいるので、こんなことにならなかったでしょうね…。


字の読み書きができないことを周囲に知られたくなくて、
中学時代はわざとぐれて、授業は先生から差されないようにし、
耳だけで授業を聞いて理解していたようです。

定期テストなどはどう乗り切っていたのかは不明ですが、
陸上の推薦で、試験なしで高校に入学。

しかし、入学した高校は勉強が嫌いな生徒達ばかりで、
こんな学力の低い生徒達でも、自分と違って字の読み書きはできると思うと、
学習意欲もなくなり、3ヶ月で辞めてしまったとか。

親からの理解も得られず、家出をし、住み込みで働くも、
どこに行っても、字を読んだり書いたりする場面があり挫折。

大工に転職してからは、現場でかなりの信頼を得、
書類などを書かなくてはならない時は、包帯を巻き手を怪我したことにし、
後輩などに書いてもらってたようです。

パソコンが出始まった時は、一早く買い、
「パソコンは、こんなこともわからないの?」と言わずに、
どんなことでも検索して字を教えてくれると。

ある時、何かの書類を書かなくてはならない場で、
書けないのをごかまかさずに、思い切って「実は字が書けないんです」と申告したら、
「それは大変苦労されたのでしょうね」と、理解してくれたことがあったそうです。

ものすごく嬉しかったと。

またある時、ディスレクシアに関する本を目にする機会があり、
読めないけれど、じっくりじっくり調べながら読んでみたら、
「これは俺のことだ」「俺は馬鹿なんじゃなくて障害だったんだ」と胸のつかえが消えたとか。

今は、大工を続けながら、スマホやiPADなどで、文字を打ち学習している男性。

書くことも少しですが、頑張っているようです。


知的能力及び一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、
普通に学校教育を受けてきても字の読み書きができないディスレクシアは、
難聴者が誤解されるのと、くらべものなならないほどの誤解を受けるだろうことが、
この番組を観て、理解できました。

「字が書けないの?」「読めないの?」「なんで?」と言うような、
他人の表情を読み取ってしまうと、男性が語ってました。

これはわかるわ。

難聴と申告しても、話せるし聞こえてるから、
「なんだ、聞こえてるじゃん」と誤解されてる時の、他人の表情。

申告しないでいて、聞き返した時の、他人の表情。

読み取れます…。


ディスレクシアと言う学習障害があることで有名なのは、トム・クルーズ。

彼は、スタッフに台詞を読んでもらって覚えるそうですね。

聴覚障害を持つ者として、耳から全てを覚えられるって凄い能力です。

私の場合、視覚から覚えたり理解する方がスムーズ。

真逆とは言え、共感を覚える障害です。


努力してもどうしてもできないことがある。

そしてそれを知られたくないこともある。

そういうことを大きく広く理解できる世の中であってほしいですね。

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