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マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

気温の変化

2014-03-13 23:50:41 | 日記
ここ数日、暖かくなったり寒くなったり…ですね。
明日明後日は寒くなるとか、でも、コンサートの日曜日は暖かくなるようで、やれやれです。
今日も灯油販売車が来ましたが、買わず…。
まだ一缶あるし、来週は三男の引越しの為に東京へ行くので、その間に少しは暖かくなるだろうし、ということで、やめました。
灯油も結構値が張りますから、まぁ寒かってもこの時期ならエアコンで大丈夫でしょう…ということにしました。
昨年はこの時期、サクランボの花が咲き始めていたようですから、それに比べると春の訪れは遅いですね。

今日は、モーツァルトのトルコ行進曲について書こうと思っていましたが、一日中断続的にレッスンをしていたので、時間に余裕がなく、明日にします。
本番の時間帯にしっかり覚醒しているように、ここ最近は早寝早起き…早寝がなかなかですが…しているので、早く寝ないと…。

ベートーヴェン:熱情ソナタ

2014-03-13 00:02:23 | ラ・プロムナード・ミュジカル
コンサートまであとわずか、ベートーヴェンの難しさを日々感じています。
起伏の激しい熱情ソナタに、どこまで気持ちがついて行くか…がポイントでしょうか。
熱情ソナタは、ベートーヴェン中期の大傑作のひとつで、1805年ごろに完成されたとみられています。
同じ頃、あの有名な「運命」交響曲も作られていて、この時期の特徴なのか、ベートーヴェンの作品の中でも特に激しい音楽となっています。
1楽章、3楽章では情熱が熱風のように吹きまくり、その間には安らぎの2楽章が深い音楽を奏でる…そんなところでしょう。
嵐のような音楽が、圧倒的は迫力で迫ってくるところから、後にハンブルクの出版屋クランツによって「熱情」と名付けられ、今に至ります。
音楽的には非常に激しいですが、曲の構成は実に冷静にうまく作られています。
演奏は高度な技術が必要で、気持ちの上でも緊張が緩むことがなく、ホントに難しい曲です。

1楽章はヘ短調で、第1主題の後、第2主題がソナタ形式の定説通り平行長調の変イ長調で出てきますが、第2主題部が長くなっていて、変イ短調の第3の主題をはさんでいる…という形になっています。
第2主題部ニ短調部分を入れるという形は、ベートーヴェンより古く、ハイドンがやっていたことです。
ベートーヴェンは、ソナタ形式の調の関係について、いろいろと定説から外れる斬新なことをしています。
再現部では、第1主題はもちろん主調のヘ短調ですが、第2主題がヘ長調になるという、基本から外れる転調をしています。
本来なら主調であるべきですが…。
ちょっとややこしい話になりましたが、ソナタ形式で重要なのは調性ですからね。
そしてこの曲の特徴の一つは、運命のモティーフが使われていることです。
「タタタタン」という同音反復のモティーフです。
アチコチに出てきますし、伴奏にも使われています。
「運命」と同じ頃の作曲ですから、きっとこの音型が気に入っていたのでしょう…と、勝手な想像をしてみる…。
ピアノで同じ音が延々と続くのは、弾きにくいですね。

2楽章は打って変わって非常に静かで、心穏やかな曲になっています。
コラールとでもいう感じですね。
変奏形式になっていて、だんだん音が細かくなっていきます。
これが何とも言えず、いいのですよ。

そして3楽章はまた激しさが戻ってきます。
これも嵐…でしょうね。
変則的なソナタ形式で、第1主題はピアニシモの分散和音で始まりますが、同じ分散和音でも、21番のワルトシュタインとは趣が全く異なります。
私はワルトシュタインの方が好きですが、もちろん、この曲もいい曲です。
ワルトシュタインは、熱情よりちょっと前に作られていますから、ベートーヴェンは同じ時期には同じ楽想をよく使ったということでしょう。
でも、これだけ大きく雰囲気の違う曲が作れるのですから、やはりベートーヴェンはすごい!!

ひところ話題になった、偽ベートーヴェンとはわけが違います。
歴史の中で残ってきた曲はやはり重みが違いますね。
風貌や身体的特徴が似ているからと言って、歴史上の偉大な人物の名を利用して言うのは、どうかと思いますね。

お勧めCD
ルドルフ・ゼルキン ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
ダニエル・バレンボイム ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「悲愴」「月光」「熱情」
ウラディミール・アシュケナージ ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ<悲愴><月光><熱情>