マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ミュジカポール・コンサート15終了しました

2024-05-26 00:01:26 | コンサート
午後は、ミュジカポール・コンサート15でした。
長時間にわたるコンサートでしたが、たくさんの方々がご来場くださって、ありがたく思います。
毎回のことですが、皆さん熱演で様々な曲があり、お客様にもお楽しみいただけたのでは…と思います。

朝から準備、リハーサルで出かけ、夕方に終了した時はさすがに疲れを感じました。
昨日も準備に追われ、解説をブログにアップするのも遅くなり、寝るのが当然遅くなり、睡眠不足気味でしたが、栄養ドリンクと痛み止めの薬も飲んで、何とか最後まで走ることができた…というところ。
各部ごとにご挨拶もするので、バタバタです。
解説のアップが昨日全部は終わらなかったので、リハーサルの合間の時間でアップしました。
ノートパソコンを持って行って…です。

私については、特に最後はしっかり弾き切ろうと思って練習を積み重ねていたので、これについてはまずまず…と。
ショパンのソナタってやっぱりいい曲だね…と言ってくださる方が数人あって、曲の良さはお伝え出来たかなといったところです。
いい曲だと感じてもらえるというのは、コンサートではとても大切なことだと思います。
作曲家が作った曲を、その意図をくみ取って再現するのが演奏家なわけで、最大限良さをお伝えしないといけないのですね。

さて、ドレスは、ずっと以前に作って、さらにリメイクをしたドレス。
今回はサイズ感の合わない部分を一部手直ししました。
季節的に新緑…ということで、若草色と言うか黄緑色と言うか…。


ご挨拶の時に着ていた服は、昨年着た時に細く見えると言ってもらって、どんな感じか…と思っていましたが、残念なことにその時は動画に映る場所に立っていなかったので見ることができず、今回は映るような位置に立ってご挨拶をしたので、やっと…。
まぁソコソコかな。
ブラウスは、既製品の裾を切って短めにしてフリフリを付けました。
下はスカートに見えるワイドパンツ。





ミュジカポール・コンサート15のお知らせ

2024-04-19 01:07:06 | コンサート
今年に入ってからコンサートが続いていましたが、今年前半の締めくくりは、ミュジカポール・コンサート15です。
5月25日(土)午後、横浜市鶴見区民文化センターサルビア音楽ホールでの開催。
サルビア音楽ホールは、定員100人で、ミュジカポール・コンサートをするのにちょうどいいですし、家からも近いし…。
今年は順調にホールの抽選に当たり、9月のミュジカポールのサルビア音楽ホールとなりました。
今回は歌とピアノで11組の出演です。
昨年5月にショパンのピアノ・ソナタ第3番の1楽章を弾いて以来、2~4楽章をいつ弾こうかと思っていたので、やっとその機会が来たわけです。
プロムナード・コンサートではすでに昨年7月に弾いているので、10か月ぶりで、思い出しながら練習を始めたところ。
2楽章からいきなり始めるのはちょっとリスクかなぁ…と、その前にフォーレの無言歌を1曲弾きます。

いつどんな曲を弾くかは、わりと長期的に考えてはいますので、7月のプロムナード、9月のミュジカポールの候補はいくつか挙げていますね。
気持が乗るかどうかで変わって来るので、決定ではないですが…。

ミュジカポール・コンサート15
5月25日(土)13:30開演(13:10開場)
横浜市鶴見区民文化センターサルビアホール・3F音楽ホール
入場料(全自由席)2,000円 (ご来場3回目ごとに1,500円)




今後のコンサート

2024-04-14 10:00:00 | コンサート
第68回プロムナード・コンサート
4月14日(日)10:00~11:30
姫路市文化コンベンションセンターアクリエひめじ小ホール
入場料無料 


ミュジカポール・コンサート15
5月25日(土)13:30開演
横浜市鶴見区民文化センターサルビアホール・3F音楽ホール
入場料(全席自由)2,000円


リサイタルミニ終了しました

2024-03-09 23:22:29 | コンサート
朝から天気はいいけど寒い日でした。
洗濯物を干していたけど途中で雨が降るという予報で、お昼過ぎに取り込んでから出かけました。
予報通り小雨…その後は良く晴れていましたけど。

午後はリサイタルミニでした。
今回はいろんな用事が重なって、新聞のイベント情報に出してもらうのをすっかり忘れていて、2日くらい前にアッと思いだした次第です。
ご来場の方からも、今回は新聞に出てませんでしたねと言われてしまいました。
皆さんよく見てくださっているようで、プロムナードの時も新聞を見て来ましたという方が良くいらっしゃいます。
シニア層にはアナログ情報が勝っているようで、地域のイベント情報の冊子とか関心のある方は見て参考にされているようです。
そんなこんなであまり広報が行き届いていませんでしたが、それでもプロムナードの時より少ないならが、たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
今回のホールは、プロムナード・コンサートを始めた時の、姫路市民プラザアートホールで、アットホームな感じで開催できました。

姫路では家族の手伝いがない分、自分で全部するわけで、ボランティアでお手伝いくださっている方もいらっしゃるのですが、私でなければわからないこともあり、準備で動き回ったら、汗をかいてしまうくらい…。
演奏については、そこそこだったかなぁ…。
グリーグのトロールハウゲンの婚礼の日とか、ドビュッシーの喜びの島とかはにぎやかな分印象に残ったようでした。
ドレスは、先週の後半で着た赤い方で。
 
コンサートに出かけることで張り合いができるという声もいただくと、いっそう頑張ろうという気持ちになりますね。

今日はいい天気だったので夕焼けを見ることができました。
が、マンションベランダから見ると、今の時期太陽が沈む位置が夏場とは違うようで、建物の影になってました。




ピアノリサイタル終了しました

2024-03-03 01:07:46 | コンサート
午後2時からのリサイタル、無事終了しました。
数日前の天気予報では、あまりいい天気ではないということだったのですが、雲は多めとは言え太陽も顔を出し、いいお天気になりました。
そんな中、予想以上にたくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
コンサートのために時間を作っていらして下さるというのは、やはりありがたいですね。

今回は、時間にゆとりもあるし、私だけなので、曲についてのお話をしつつのトーク付きコンサートにしました。
つい話が長くなってしまいがちなので、その辺りも気にしつつ…。
笑いを取りたくなるのがいつものことなのですが、なるほど…という感じで聴いて下さる方もあって、トークが良かったという感想をいただいてしまいました。
姫路では、通常のリサイタルの半分の時間でのミニリサイタルをしていましたが、今回はその倍の時間になったので、さすがに疲れてるなぁ…というのを弾きながら感じてしまいました。
やっぱり体力勝負なので、鍛えないとなぁ…というのが反省点と言うか、まぁ若いころには平気だったのになぁ…と寂しい気持ちも…。
演奏は、後で客観的に聴いてみるといろいろ思うところはあるでしょうが、それなりに曲の良さや楽しさはお伝え出来たかな…と思います。
楽しかったとか良かったとか、音がきれいだったとかの感想をいただき、ホッとしているところです。
ピアノはカワイのピアノですが、朝一番から調律に入っていただいたので、先月にチェックした時より軽やかな音になり、とても弾きやすくなりました。

さて、ドレスは、前半は白地に黄緑を加えたもの。
前から見るとこんな感じ。
この白地のレース状の布は、相生のMさんにいただいた布で、若干長さが足らなかったので、別の布と組み合わせようといろいろ検討していたものです。
仕上がってみて、黄緑部分の色がもう少し薄い色のほうがよかったかな…とは思いましたが…。

後半は、愛を奏でるということで、華やかな赤です。
たぶん15年くらい前だと思うのですが、神戸で買ったドレスのスカート部分を利用してリメイクしました。
参考までにもとのドレス。

上身頃も手直しで…と思ったのですが、結局作り直した方がいいということで、スッキリとです。
終了後に撮った写真です。
とりあえず一つリサイタルを終えて、ホッとしましたが、来週は姫路で後半のプログラムでミニリサイタルなので、のんびりはできないのが残念なところ。
まぁ自分で計画したわけですから…。




リサイタルでの演奏曲について第2部

2024-03-01 00:14:31 | コンサート
第2部は、「愛を奏でる」として、愛に関係ある曲を取り上げています。
リスト:献呈(シューマン) S.566
シューマン(1810~1856)が1840年に作曲した歌曲集「ミルテの花」作品25の第1曲「献呈」を、リスト(1811~1886)がピアノ独奏用に編曲したものです。
シューマンはこの年、10歳年下のクララと結婚していて、クララとの結婚の前日に、クララに献呈したものです。
愛に満ちている原曲を、リストがいかにもリスト!という感じに編曲しているのです。
曲の最後は、「ア~ベ・マリ~ア」と祈りのフレーズで締めくくられています。
リストには、パラフレーズ物がたくさんあります。
当時流行っていた、オペラのアリアや重唱、歌曲や交響曲など様々なジャンルの曲を、ピアノ1台で弾けるように編曲したリストの曲は、手軽に聴ける機会として人気があったようです。

日本語訳として、「あなたが欲しい」という言い方をしていますが、「あなたが欲しい」だったら、フランス語では、Je vous veux.(ジュ・ヴ―・ヴ―)になるので、「おまえ(または君)が欲しい」と言う方が正しいと思うのですけどね。

ブラームス:6つの小品 作品118より 第2曲 間奏曲 イ長調
この曲は、ブラームス(1833-1897)の後期の作品の中でも特に人気のある曲です。
はっきりと愛を示した曲ではないのですが、ブラームスの敬愛するクララ・シューマンとの関係で、まぁ愛の曲と言えなくもないかな…と、入れてみました。
ブラームスは、ピアノ曲を、初期(1851~55)と、晩年1892年に集中して作っています。
この間の時期にラプソディとか作品76の少品集とか変奏曲とかを作っていますが…。
初期はソナタとかかっちりした曲で晩年は小品。
1892年にオーストリアのイシュルで、作品116~119の計20曲を作曲し、この後はピアノ曲は書いていません。
作品118の6曲と119の4曲の筆写譜を、クララ・シューマンに送ったと言われています。
クララ・シューマンはシューマンの奥さんで、ピアニストでもあり、シューマン存命中からブラームスは交流があり、クララのことは敬愛していました。
さて、作品118の第2曲は間奏曲イ長調で、非常に美しい曲です。
和声的要素と対位法要素がうまく融合して、洗練された流れを作っています。
ABAの3部形式。

グリーグ:抒情小品集第8集 作品65より 第6曲 トロールハウゲンの婚礼の日
グリーグ( 1843-1907)と妻ニーナの結婚 25 周年を記念して 1896 年に書かれました。
トロルドハウゲン(トロールハウゲン)は、ベルゲン郊外で、グリーグの記念館があるところです。
トロールハウゲンは、「トロルの住む丘」という意味です。
入り組んだ海の湾に面した、丘と自然林の美しいところで、この曲は、ここでの素朴な婚礼の模様を音楽で表現したものです。
婚礼の行列に甘いメロディ、教会の鐘の音などが合わさって、感動的な曲となっています。

ドビュッシー:喜びの島
1904年の作といわれるこの曲は、ロココ時代のフランスの画家ヴァトー(1684~ 172)の名画で、ルーブル美術館にある「シテール島への船出」から着想したと言われています。
この絵は、もともと「シテール島への巡礼」という名前だったそうです。
この絵が成功して、そのレプリカの依頼があり、もう1作描いています。
シャルロッテンブルク城にあるレプリカの方が少し華やかになっています。
シテール島は、ギリシア神話の愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)が祀られていて、恋人たちはそれにあやかるべくこの島に詣でたと言われています。
「シテールへの船出」の絵は、シテール島へ行くところか、帰ってきたところか、いろんな説があるようです。
シテール島は、ギリシアの南、エーゲ海の入り口にある「キティラ島」のこと、海の美しい島です。
さて、ドビュッシー(1862-1918)がこの絵に「喜びの島」の着想を得たという話、実は確かな話ではないようです。
しかし、ピアノの技巧を最大限に発揮して愛の喜びを表現したかのようなこの曲は、この逸話がありそうな話に思えるのも事実です。
絵画的な色彩感にあふれています。




リサイタルでの演奏曲ついて第1部

2024-02-29 23:21:45 | コンサート
リサイタルまであと2日…と言うか1日と言うか…もう1週間は欲しいな…と言う感じです。
まぁ毎回どんなコンサートでもそう思うのですけど。
今回弾く曲はすべて過去に何度か演奏したことのある曲です。
好きな曲を集めたので。
曲については以前に書いているのでそのリンクを。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」
ワルトシュタインというタイトルは、もちろんベートーヴェンがつけたわけではなく、ワルトシュタイン伯爵に献呈されたので、おそらく出版社がつけたのでしょうが、初版は「大ソナタ」と名付けられていました。

ショパン:ノクターン(夜想曲)第2番 変ホ長調 作品9—2
https://blog.goo.ne.jp/promasumi/e/fb70c85d8147de8c4585342193012c8e

ショパン:バラード 第1番 ト短調 作品23
https://blog.goo.ne.jp/promasumi/e/16e8b5782835d8bcc1359a9da33ecaae
1835年に完成。
ショパンのバラードが、ポーランドの詩人ミッキェヴィッツの詩にヒントを得て作られたということはリンク先にも記述していますが、あくまでもヒントであって、その物語をなぞるように作られているわけではありません。
後世の人達が、どの詩が元になっているかと、そういう元となるものについて論じるのは良くないとか、いろいろ言われますが、私としては背景が何であれ、曲は曲であって、純粋にショパンの音楽として理解し、演奏しています。
たぶん弾いているときはそんな背景のことは忘れている…と思いますね。
でも、「コンラード・ワーレンロッド」の話は、割と気に入ってるのですけどね。
最近全然別の話があるというのを知りましたが、それはとんでもないと言うか、ちょっと幻滅しそうな話でしたので、載せません。


2024ピアノリサイタル開催のお知らせ

2024-02-01 00:33:51 | コンサート
開催するということは、このブログ上でもすでにお知らせしていましたが、3月2日(土)午後、リサイタルを開催します。
港の見える丘公園の一角にある、横浜市イギリス館のホールです。
横浜市イギリス館は、昭和12(1937)年に英国総領事公邸として建てられたもので、ホールといっても特に音響がいいわけではありませんが、おしゃれな雰囲気がいい…といったところでしょうか。
ミュジカポール・コンサートもそもそもイギリス館で始めたのですが、コロナで人数制限がかかり、広いホールでの開催にしたのです。
一度広いところに出るとなかなか狭いところへは戻れませんね。

さて、私のリサイタル、レパートリーの中から弾きたい曲を選んだみたいな感じですが、前半は、ベートーヴェンのワルトシュタインから始めます。
全曲となると長くなるので、ジョイント形式のコンサートでは取り上げにくいので。
ベートーヴェンのソナタの中では、好きな曲の筆頭に挙げられるくらい好きな曲です。
その後、ショパンのノクターン2番を挟んでバラードの第1番。
これも大学時代から弾いている好きな曲。

後半は、「愛を奏でる」というテーマで、何らかの形で愛に関係のある曲を集めました。
リストのシューマンによる献呈は、好きなのになかなか納得のいく演奏ができず、何とかしたいと思っているところ。
サティのジュ・トゥ・ヴ―はさらっとおしゃれに。
ブラームスの作品118の第2曲間奏曲は、弾きたいと言う人が多いですね。
大学院の修了演奏で弾いた曲です。
グリーグのトロールハウゲンの婚礼の日は、出雲で2回目のリサイタルで弾いて以来、私の十八番と言える曲。
ドビュッシーの喜びの島で締めます。

曲についてのトークを入れてのコンサートの予定です。
お時間が取れたら是非ご来場くださいませ。

月曜日に、一通り弾いてみましたが、手になじむまで弾きこまないとなぁ…と思っているところです。

2024松尾益民ピアノリサイタル
3月2日(土)14:00開演(13:40開場)
横浜市イギリス館ホール(港の見える丘公園内)
入場料:2,000円(全自由席)





ミュジカポール・コンサート14は終了しました

2024-01-14 00:49:20 | コンサート
午後、ミュジカポール・コンサート14でした。
午前中、準備やリハーサルで出かけたときは、いい天気だったのですが、夕方終わって帰る頃にはすっかり寒く、雨も降っていました。
建物の中にいると全く分かりませんでしたね。
寒い中をお出かけ下さった皆様、ありがとうございました。
バラエティに富んだプログラムで、お楽しみいただけたようで、ホッとしているところです。
今回は、いつもより出演者が少なかったので、準備もゆとりがあって、そういう面では楽でしたが、終わればやはり疲れるものですね。
私の演奏に関しては、グリーグのピアノ・ソナタは初めてという方がほとんどで、いい曲だと感じていただけたようです。
音楽の中に、なんとなく北欧の空気を感じる…みたいな曲で、グリーグ独特の美しいメロディも心に残る曲なのです。

さて、今回のドレスは、10月のプロムナード・コンサートで作ったものにしました。
いろいろあったので、さすがにゆとりがなく…。
上身頃がゆとりがありすぎたのをちょっと手直しして、体にフィットするようにしました。



ミュジカポール・コンサート14の演奏曲

2024-01-13 00:08:02 | コンサート
明日のミュジカポール・コンサートでは、ショパンの遺作のワルツから3曲と、グリーグのピアノ・ソナタを演奏します。
いずれの曲についても、以前記載したことがありますが、ずっと前なので、一部書き直して再掲します。
ショパン:ワルツ第16番 変イ長調 KK.IVa/13、第15番 ホ長調 KK.IVa/12 、第14番 ホ短調 KK.IVa/15
ショパン(1810~1849)のはワルツは全部で19曲ありますが、約半数が没後に出版された遺作となっています。
遺作の中から、今回は14~16番の3曲を演奏します。
演奏順は、16、15、14番の順番です。

ワルツ第16番 変イ長調は、10代終わりごろ作曲されたとみられ、1902年に、ショパンの作曲の先生だったユゼフ・エルスネルの娘エミリーが持っていたアルバムから発見されたものです。
細かい動きの繰り返しで、左手の和音の変化は少ないですね。
第15番ホ長調は、1829年の作。
勇壮な感じの前奏部に比べると、メインテーマはちょっと哀愁を帯びたショパンらしいフレーズです。
これを弾いていると、どんな小品でもやっぱりショパンだなぁ…と思えます。
第14番ホ短調は、1830年頃の作曲。
「華麗なる円舞曲」の先駆けともいえる曲で、最後は華やかに終わります。
演奏効果があるので、よく演奏されます。

グリーグ:ピアノ・ソナタ ホ短調 作品7   
ノルウェーの作曲家グリーグ(1843~1907)は、母親の影響で幼少期からピアノに親しんでいましたが、特にショパンの小品を好んでいたようです。
作曲家になってからも、抒情小曲集に代表される小品を多数作っていて、自然や素朴な人間の感情などを表した曲に本領を発揮しました。
よって、大作はピアノ・ソナタがこのホ短調1曲のみで、ピアノ協奏曲も1曲のみ、いずれも若い時の作品です。
ドイツのライプツィヒ音楽院で学んだグリーグは、1862年に卒業するといったんはノルウェーに帰り、音楽家としての活動を始めます。
その後、デンマークに渡りますが、そこでの出会いから様々な影響を受けました。
このピアノ・ソナタホ短調は、1865年グリーグ22歳の時の作品で、わずか11日間で書き上げられたと言われ、デンマークで知り合った作曲家ゲーゼ(1817~1890)に献呈されました。
第1楽章 アレグロ・モデラート ホ短調
ホ短調の主和音を加工する形の第1主題で始まり、抒情的でもありエネルギッシュでもある曲調のソナタ形式で書かれ、力強いコーダで閉じます。
第2楽章 アンダンテ・モルト・カンタービレ ハ長調
ノクターンともいえる曲で、清らかで崇高な主題で始まり、グリーグ特有の牧歌的で素朴な情感があふれています。
ハ長調の持つ独特の透明感や力強さを併せ持つ曲だと思います。
第3楽章 アッラ・メヌエット・マ・ポコ・ピュウ・レント ホ短調
第1楽章の開始と同じ主和音の下降で始まり、中間部のトリオはホ長調に転調し、対照的に上昇音型に転じ、メヌエット部分を半分の長さで再現して終わります。
第4楽章 フィナーレ モルト・アレグロ ホ短調
マーチ風で軽快なテーマで開始し、第2楽章の音型も利用して展開し、華やかで堂々とした曲となっています。
瞑想的でもある力強い終結部で閉じます。