後半のソロで演奏する曲については、以前にも記載していますが、若干変えた部分もあるので、再掲します。
ドビュッシー:ベルガマスク組曲 より 第3曲 月の光
ドビュッシー初期1890年作曲、出版年の1905年にかけて推敲された「ベルガマスク組曲」の第3曲です。
ヴェルレーヌの詩集「雅びな宴」の中の一つ、「月の光」から名づけたという説があります。
一見楽しそうではあるが、仮面の下には悲しみや郷愁の念をかくしもっている道化師たちの様子がうたわれています。
月の光を浴びた幻想的な風景が思い浮かぶような、とても美しい曲です。
イメージとしては、ターナーの絵「ルツェルン湖の月明かり」のような風景か…。
ラフマニノフ:前奏曲集 作品23 より
ラフマニノフ(1873~1943)は、ロシアの作曲家で、自身もピアニストでした。
自身が演奏した音源もたくさん残っていて、実際に聴くことができます。
ショパンやチャイコフスキーの流れをくみ、ロマンティックな曲想とピアノの特色を生かしたダイナミックな効果は魅力的です。
特に、ピアノ協奏曲第2番は印象深く、この曲を使ったポップスの曲もありますし、フィギュアスケートでもよく使われます。
エリック・カルメンの「オール・バイ・マイ・セルフ」は、後年、セリーヌ・ディオンがカバーしましたが、この曲を使っています。
ラフマニノフのピアノ曲はたくさんありますが、どれも技術的に難しく、弾くのは一苦労ですが、その分、演奏効果も大きいです。
前奏曲集は、今回弾く曲が入っている作品23が10曲、作品32が13曲と作品3の幻想曲集第2曲のプレリュードを合わせて24曲ありますが、24のすべての調性で書かれています。
これは、バッハの平均律クラヴィア曲集やショパンの24のプレリュードに倣って作曲されたものです。
作品23は、1902年から翌年にかけて作曲されました。
今回演奏するのは、第5番ト短調、第4番ニ長調、第2番変ロ長調の3曲です
いずれもよく演奏される曲で、ラフマニノフの曲の中ではポピュラーと言えるでしょう。
ト短調は、マーチ風なリズムを特色とし、中間部では、アルペッジォの伴奏に乗った憂いを含んだメロディが歌われます。
たたみかけるようなリズムが、非常に効果的に曲のクライマックスを作っています。
二長調は、ノクターン風な曲で、甘くロマンティックなメロディが美しく、いかにもラフマニノフ!といった感じです。
メロディと伴奏部が複雑に絡み合っていて、重厚なハーモニーを作っています。
弾きながらつい感動してしまいそうな曲です。
変ロ長調は、この曲集の中で最も華麗な曲と言えるでしょう。
ABA形式で、Aの部分は3オクターブにわたるラフマニノフ独特のスケールの大きいアルペッジォの伴奏の上に、華やかなメロディが高らかに響きます。
中間部は、右手のトレモロ風の伴奏がキラキラとした光を放っているかのようで、左手に現れるメロディが感動的です。
その後主部Aに戻り、華やかに終わります。
この1曲で、音楽を堪能した思いがする、そんな曲でしょうか。
盛沢山のプログラムで
楽しい曲たちに出会えて
幸せでした。
お元気でまた次回を
よろしくお願いします。
お楽しみいただけて良かったです。
毎回プログラムには悩みますが、知らない曲も知ってる曲も合わせて聴いていただけたら…と思っています。