マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

第47回プロムナード・コンサート終了しました

2018-09-01 23:59:59 | ラ・プロムナード・ミュジカル
プロムナード・コンサート終了しました。
暑い中、たくさんの方々のご来場、ありがとうございました。
バラエティに富んだプログラムで、お楽しみいただけたのでは…と思います。
私自身は、出番がいつもよりか少なかったものの、演奏した曲すべてが新たに弾いた曲だったので、やはり大変でした。
エネスコのトッカータの仕上げを、ここ数日かなり追い込んだので、久しぶりに疲れを感じました。
弾いたときはほぼ必死でしたが、それでも、この曲が良かったと言って下さる方がたくさんあって、曲の良さが伝わったのは良かったかな。
ホントに輝かしく、それでいてホロっと来るようなフレーズもあり、いい曲なのです。
もっと弾かれるようになってもいいのに…と思いますね。
ただ、決して弾きやすい曲ではないですけど。
ドビュッシーの方は、5曲とも暗譜で弾くつもりでしたが、やっぱり土壇場で不安が出て、楽譜を置いて弾きましたが、花火だけはきっちり暗譜で弾きました。
暗譜の方が集中できますから。

ドレス、花火に合わせてオレンジ系のグラデーションのある布地で作る予定でしたが、やはり練習に時間を取られ、断念。
若いころのリサイタルで着た赤に金色の模様の入ったドレスのサイズ調整をしてリメイクしたものにしました。

元は、プロの方に仕立ててもらった袖付きのドレスでしたが、袖を取り外し、ウエスト部分は幸いにもタックが取ってあったので、それをほどいたら程よいサイズになりました。

終了後、今回は大学の後輩が2人出演していたので、一緒に打ち上げ昼食会。
イーグレミレなので、メニューは変わりばえなく…。
いつも通り、旬菜弁当。

安定の変化なし…です。
話が盛り上がり、ひとときの楽しい時間でした。

3日には、いなみ野学園の講座があるので、そこで弾く曲の練習をしようと思っていましたが、珍しく腕も疲れていて、断念…。
明日頑張らねば。

ドビュッシーの前奏曲集第2集について

2018-09-01 00:41:39 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ドビュッシーの前奏曲集第2集の最後の曲は「花火」というタイトルが付いています。
前奏曲集を締めくくる大曲となっています。
花火を弾くなら夏!ということで、今回弾くことにしました。

前奏曲というジャンルと言うか曲種と言うか、それはバロック時代から書かれていたものです。
当時は、前奏曲とフーガとか、前奏曲とトッカータとかというくくりで、その名の通り、前に弾かれる曲でした。
J.S.バッハは、平均律クラヴィア曲集を前奏曲(プレリュード)とフーガで作曲しています。
前奏曲だけをまとめたのは、ショパンやラフマニノフスクリャービンなどの作曲家がいますが、24の前奏曲と言うように、24の調で作曲されています。
ドビュッシーについては、一応念頭にあったようですが、転調も激しく必ずしもその限りではないように思います。
第1集12曲、第2集12曲と、曲数は24曲です。
1912年に完成されています。
今回演奏するのは第8曲から12曲までです。

第8曲 水の精(オンディーヌ)
水の精と聞くと、美しい物…という錯覚をしますが、水底に住む危険な誘惑者の伝説です。
同じものを題材にしても、作曲家によてそれぞれ違う…もちろんですが。
何かの物語を表しているのではなく、水のように移ろいゆく時間の神秘…かも知れません。

第9曲 ピックウィック卿を讃えて
ピックウィック卿とは、ディケンズの小説「ピックウィック・ペーパーズ」の主人公です。
荘重な始まりですが、尊大な身振りから一変、せかせか歩き回る…そんな感じもあります。

第10曲 カノープ
カノープとは、そもそも、ナイル川のほとりにある古代エジプトの都市ですが、やがてそれは、4人分の消化器官やミイラを収めるつぼの名前になりました。
そのつぼには、オシリス神の象徴である、人や獣の頭部があしらわれています。
廃墟と死…が感じられます。

第11曲 交代する3度
ひたすら両手の3度を刻み付ける練習曲風。
この後の練習曲集を先取りしているようです。

第12曲 花火
この曲も、時間の中に消えていく物を表現しています。
でも、花火を音で表現している感じですから、弾いていると、あ、ここで花火が上がったとか、残り火かとかいろんな想像ができます。
最後の部分に、フランス国家である「ラ・マルセイエーズ」引用されていますので、7月14日の革命記念日の花火だったのかな…。