10日のプロムナード・コンサートで演奏する曲目についてです。
まず、ドビュッシー(1862~1918)のバラードですが、ドビュッシーの作品の中で「バラード」という名のついた曲は1曲、この曲だけです。
1890年ごろの作品と言われていますが、実際にはそれ以前から手掛けていたと思われています。
1890年ごろの作品はいくつかありますが、他の作品同様に、短いフレーズに様々な和声付けをしたりリズムを使い分けたり伴奏形を変えたりして、いわゆる実験的なとでも言える曲作りをしています。
この頃はまだ印象派と言える音使いをしていないので、演奏する立場としては、比較的音が覚えやすい…と言えるでしょう。
同じく1890年の作曲で1891年に出版された「舞曲」は、初版では「スティリー風タランテラ」と題されましたが、別の出版社から再版されるときに「舞曲」とされました。
スティリーとは、オーストリア南東部の州の名前で、なぜ当初「スティリー風」と呼んだかはわかっていません。
6/8拍子と3/4拍子が混合したおもしろいリズムが特徴です。
ラヴェルがこの曲を好んだらしく、1823年に管弦楽用に編曲しています。