「白蓮れんれん」 林真理子
「花子とアン」のときに、読みたいと思っていたのですが、今頃になって読みました。
白蓮と龍介の実際の往復書簡をもとにしたこの小説の白蓮は、「花子とアン」の「蓮さま」とは別の顔をみせます。
とてもおもしろく読めました。
ただ、この小説を読む限りでは、白蓮の結婚生活がものすごい不幸だったとは思えないのですよねえ。
義娘や義妹とも大きな軋轢があったわけでもないし、妻妾同居といっても、女中頭のサキ以外は、自分で選んであてがった女性でしょ?
先日読んだ「異邦人」と同じく、ヒロインに感情移入できない小説なのですが、白蓮に憧れつつも、批判的な目で見つめる義妹の初枝の視点があるので救われました。
今度は、九条武子についての本でも読んでみようかと思いました。
「神の時空 三輪の山祇」 高田崇史
QEDシリーズ以来、新刊が出ると必ず読んでいる数少ない作家です。
最近はさすがにマンネリっぽいところもあるのですが、なんとなく読んでしまいます。
今回は三輪山のご神体についての蘊蓄が語られます。
歴史ミステリーというか、怨霊ミステリーだから、夏の読書のテーマにもぎりぎりセーフ?