撮り散らかし鉄の記憶

撮り散らかした鉄道写真の中から記憶に残るシーンを

貨物鉄道博物館(2025.1.11) 旧関西鉄道458号 有蓋貨車の車体、旧国鉄タ600形 タンク体

2025年01月19日 21時57分21秒 | 博物館、保存車
1/11に三岐鉄道三岐線 丹生川駅に隣接する貨物鉄道博物館で復元作業中の旧関西鉄道の有蓋貨車458号の車体、旧国鉄タ600形のタンク体を撮りました。
1枚目は、鉄道貨物博物館で復元作業中の旧関西鉄道の有蓋貨車458号の車体です。



2枚目は、鉄道貨物博物館で復元作業中の旧国鉄タ600形のタンク体です。



旧関西鉄道の有蓋貨車458号は、1900(明治33)年に関西鉄道四日市工場で製造された鉄製有蓋貨車です。
関西鉄道は1888(明治21)年に三重県四日市市で設立され、新線の開業や近畿地方の鉄道会社を合併して、大阪府中東部、京都府、三重県、奈良県、滋賀県、和歌山県に路線を展開しました。
現在の路線で言えば、関西線、草津線、和歌山線、奈良線、片町線、紀勢線(亀山~津)、大阪環状線(大阪~京橋~天王寺)に相当する路線となります。
特に名古屋~大阪間の全通に伴って、官設鉄道との間でこの区間の旅客、貨物を巡って争奪戦が行われるほど活況でした。
しかし、1907(明治40)年に鉄道国有法により政府に買収されて、会社としては廃止されています。
関西鉄道の本社は後に大阪に移転したようですが、四日市は中心地であったようで、現在のJR四日市駅東側の貨物ターミナル付近にあった四日市工場では車両の製造も行われていたようです。

458号は1907(明治40)年に国有化されてテワ1003形1009号に改番され、1921(大正10)年に龍崎鉄道へ譲渡されてテワ1形1号に改番されたそうです。
1928(昭和3)年にテ1形1号に改番され、1944(昭和19)年に龍崎鉄道が鹿島参宮鉄道に合併された後、1950(昭和25)年頃に廃車となり竜ケ崎客車庫で付属倉庫として使用されていました。
1965(昭和40)年に鹿島参宮鉄道は常総筑波鉄道と合併して関東鉄道となっています。
458号の車体は引き続き付属倉庫として使用されていましたが、2017年の車庫の解体工事に伴って貨物鉄道博物館に譲渡されています。
貨物鉄道博物館のご努力によって車体の修復作業は完了していますが、今後は床下を復元が計画されているそうです。

タ600形は、1928(昭和3)年の車両称号規程改正により、様々な形式をまとめて生まれた形式です。
貨物鉄道博物館に保管されているタンク体は、サミュエル商会(後のライジングサン石油)が1893(明治26)~1898(明治31)年にイギリスのハーストネルソン社で製造され輸入されて輸入し、私有貨車として山陽鉄道が運用した日本最古のタンク車と推測されるとのことです。
山陽鉄道は1906(明治39)年に国有化され、タンク車は1911(明治44)年の形式称号制定後はア1900形となり、1928(昭和3)年の称号改正後はタ600形655~671のグループとなったそうです。
第二次世界大戦後はシェル石油の所有となり、1965(昭和40)年までに全廃されていますが、このタンク体は1960(昭和35)年頃に七尾港の油槽所に設置されたと推測され、据置タンクとしても使用を終了してからは長らく放置されていたものが発見されたそうです。
2020年に貨物鉄道博物館に搬入され、今後は床下を含めて復元が計画されているそうです。

なお、今回を含めた貨物鉄道博物館様に保存されている車両に関する記事はウィキペディア(Wikipedia)の他、貨物鉄道博物館様の公式ホームページの記載を参考にまとめさせていただきました。