Que ma vie est belle!

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静寂も音楽の一部@内田光子

2009-05-20 23:58:51 | コンサート

内田光子、ピアノリサイタル。2009年5月20日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Mitsuko Uchida: Piano

W.A. Mozart: Rondo in A minor K.511

A. Webern: Variations Op.27

L. V. Beethoven: Sonata in A Op.101

R. Schumann: Fantasie in Op.17

考えてみると、とても久しぶりのピアノリサイタル。

ロンドが始まって、ピアノの演奏会はまるで水墨画のように、静寂(白紙)も音楽の一部なのだ、と気づく。このところ、騒がしい(失礼!)オケばかり聴いていたし、ヴァイオリンなんて、大きく煌びやかな音が出てなんぼ、のような聴き方をしていたので、広いホール全体に水を打ったような静けさがとても新鮮に感じられた。

ウェーベルンは、ご免なさい、良く分からない。アンコール1曲目(誰か分からないけれど無調系の曲)はかわいらしい曲だった。

ベートーベンは演奏会向きの演奏であるように-彼女の同曲のCDよりさらに表情や弾き方の変化が大きく-感じられた。内田光子は、ピアノに向かうと、とても叙情的だと思う。メロディアスな部分は、まるでシューマンやシューベルトのようにすら聴こえる。彼女はプログラムの中で、ベートーベンとシューマンを同時に取り上げた理由として「主音」をあげているが、この美しいメロディにあるのかと思ってしまった。

後半はシューマン。これも「歌」の美しさと、激しさのmixされた演奏。それにしても、若い。既に60歳を過ぎているというのに。彼女は演奏を始めると本当に妖精のよう。最近、80歳近いおじいちゃん達の指揮を見て、若い演奏家を発掘しなくちゃ、なんて思っていたけれど、彼女のような演奏を聴くと、年齢ではないな、と思う。まだまだこれから、頑張ろう。