ドゥダメルの演奏会-マーラー交響曲第9番-のためにヨーテボリ再訪を決定。全工程24時間という少々強行軍。
British Airwaysはロンドンからヨーテボリへの直行便を出していないので、今回はSASで。乗り込んでみると、なんとLA PhilのCEOであるDeboraが乗っているではないか。思わず挨拶に行ってしまう私。
ヨーテボリに着くと、外はかなりの雪。気温が高めのため、湿った大粒の雪だ。しかし、雪が珍しい私は(この冬はロンドンも大分降っているが、こんなに本格的な雪ではない)、ただただ見惚れてしまう。
切り立った崖に雪が積もっている様を見ると、ウィトゲンシュタインが隠遁したノルウェーの湖のほとりは、こんなだったのだろうか、と思う。また、頭の中には、シベリウスの交響曲が自然と流れる。
しかし、シベリウス=フィンランドなのに。ウィトゲンシュタインが隠遁したのはノルウェーなのに。ヨーロッパ人が、日本、中国、韓国の見分けがつかないのと同様、私にはスウェーデン、フィンランド、ノルウェーの区別が全然ついていない。
さて、ホテル。演奏会会場から少々遠かったかと反省。最初に案内された部屋が気に入らず、変えてもらう。ビジネスセンターへボーディングパスを印刷しに行こうと部屋を出ると、そこにはなんと、GustavoとDeboraらが。お仕事中だろうし、遠慮しようかな、と思っているとGustavoが「H~i!!」と相変わらずの笑顔で声を掛けてくれたので、挨拶。Devoraにも、先ほどはどうも、またLAにも伺います、と再度ご挨拶。
その後、演奏会会場横にある美術館で時間をつぶす。恐ろしく人気のない美術館である。今日はVan Dyckの絵の前に陣取って、マラ9を聴く。なんと豊かな時間だろう、こんな素晴らしい絵画の前で、一人思索に耽ることができるのだから。
さて、午後6時、美術館の閉館時間だ。演奏会場はちょうど開いたようだ。演奏会への期待と不安を心に抱きながら美術館を後にした。