以前から一度生で聴いてみたかったポリーニ。2008年6月(?)にLondonにやってきたときは、折角チケットも入手していたのに出張が入って行けなかった。今日、ついに念願かなってこのロイヤルフェスティバルホールの席に座ることができた。
ショパン生誕200年記念、ということなのだろうか、All Chopinプログラム。個人的にショパンにはすっかりご無沙汰しているが、ここに来て記念事業なのか、演奏会でショパンとシューマンを聴く機会が本当に多い。
前半は24の前奏曲。正直、ポリーニという人はもっと上手いのだと思っていた。しかし、右手の細かいパッセージがごちゃっとしてはっきりと聴こえてこない。ロイヤルフェスティバルホールはピアノが綺麗に聴こえるホールのはずなのに。。。
後半はバラードの1番、2つのノクターンOp.27、12の練習曲Op.25から8曲。2つのノクターンOp.27のうちNo.1が良かった。予習で聴いていたいくつかの演奏はどうしても好きになれず、この曲つまらないの?なんて思っていたが、これはとても美しく弾けていたのではないかと思う。しかし、その他については前半同様。
聴いているうちに思い出したのは、1985年、昭和女子大学人見記念講堂でのホロビッツの演奏会。結局あれが日本でホロビッツが弾いた最後だった-ポリーニは今年68歳になったばかりで、まだ演奏活動は続けるつもりなのかもしれないが、申し訳ないが、思い出したのはホロビッツの最後。今ポリーニは何をMotivationにこの舞台に立っているのか?と思わずにいられなかった。
アンコールは3曲。最後に弾いたショパンのスケルツォ第3番は、とても美しかった。でも、まるで「さようなら」といわれているような気がしてならなかった。
まさかポリーニがサイン会をしてくれるとは思わなかった。iPodにサインをお願いすると「It is a little bit strange...」といいながらもサインしてくれた。なんだか、ポリーニおじいちゃんのiPodみたいだ。「It does not last long...」。そうかもしれない。
さようなら、ポリーニ。