Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

客層は演奏家のレベルを反映するか-アレクサンダー・ロマノフスキー@ウィグモアホール、ロンドン

2010-03-08 00:30:00 | コンサート

日曜日の夜-特に予定もないし、演奏会でも行こうか、£20しないし。というわけでウィグモアホールでアレクサンダー・ロマノフスキーのシューマン(まただ。。。)とラフマニノフを聴いた。

前半はシューマンの交響的練習曲(遺作の5つの変奏を含む)。この曲はシューマンにしては相当好きな曲だ。あのいやな響きの和音が少ない。ロマノフスキーは、トップクラスとは言いがたいけれど、まあまあのピアニスト、と言ったところなのだろうか。とても有名な終曲-和音をffでたたきつけるこの曲は、ミスタッチしないで弾くのは不可能そう-なかなか健闘していたけれど、肝心の最後でちょっと外してしまった。残念!

しかし、Youtubeで聴けるリヒテルなんて、迫力はあるけれど、すごいミスタッチだらけ。昔はこれでよかったのか知らん。まだまだ、ミスタッチを超えた音楽性を聴きとるには青い私。

ラフマニノフは練習曲集「音の絵」作品39。この間のルガンスキーのラフマニノフ(こちらはコンチェルト)よりはいい感じに思えた。コンチェルトと比較は公平ではないかしら。確かにウィグモアホールだったら、大音量を出そうと躍起になる必要はまるでないし-普通に弾いても響きすぎるくらいに響くのだから。

これだけ大きな曲を弾いた後にもかかわらず、アンコールとしてショパン(2曲)、スクリャービン、ドビュッシーと大サービス。ロマノフスキーは名前から推測できるようにロシア出身のようであるが、今はイタリアを拠点にしているからか、イタリアンなサポーターがすごい。一人のマダムなど、ドビュッシー(月の光)の最後の音が消える前に「Well done!」と叫ぶや立ち上がり、客席に向かって拍手を要求。これは相当興ざめである。

アムランやアンスネスの演奏会の客層とはちょっと違う。ウィグモアホールの客層は、他のホールに比べるとレベルが高いと思うことが多いが、やはり演奏家によるようだ。