Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユースオーケストラ@KKL、ルツェルン

2010-03-20 23:00:00 | Gustavo Dudamel

ルツェルン・フェスティバル、イースターコンサート第2日目。ドゥダメルとSBYOV。昨日のコンサートも決して悪くは無かったけれど、やはりこの組み合わせに勝るものはない。

 

1曲目はチャイコフスキー「フランチェスカ・ダ・リミニ」。この曲、彼らのCDにも入っているし、何度も聴いているのだけれど、あまり好きだと思ったことが無かった。しかし、こうして生で聴くと、素晴らしい。クラリネット、上手い、花丸をあげよう。

ああ、今日チャイコフスキーを招待できなかったのが残念だ。チャイコフスキーもこの演奏を聴いたら、自分の作った曲がどんなに素晴らしかったか改めて気づくのではないかしら(Wikiによれば「迫力のないつまらない作品」と後に述べた、とあるが、絶対に意見が変わったことだろう)。ドゥダメルが昨年4月にロンドンで「チャイコフスキーはベネズエラの作曲家」といったことを再び思い出す。

 

2曲目はおなじみ、アルプス交響曲(この1年、ドゥダメルの指揮で3回目だ)。ドゥダメルは本当に賢い人だと思う。アルプスのお膝元でアルプス交響曲。「お祭り」だけあって、おそらく普段クラシックを聴かない人も多いのだろう。カウベルが鳴ると、くすくす笑いが会場のあちらこちらから漏れる。オルガンが鳴ると、オルガン奏者の居る場所を指差す人が居る。こういう人達に、SBYOVの演奏は心に響くことだろう。

 

演奏者達が、自分の持てるすべてを出してドゥダメルの指揮に応えようとする様は、観ていて気持ちが良い。今日の木管は素晴らしかった。ホールの素晴らしさが花を添えていた。ベルリンのフィルハーモニーを髣髴とさせる残響感がある。金管の出だしは多少へたれていた部分も散見されたが、真剣な目で指揮を追い、髪を振り乱して演奏している彼ら-指揮者と演奏者の間のこの「信頼感」を見ているだけで、演奏会に来た意義を感じる。

 

演奏会の後、花束を持って楽屋を訪れた際、フェスティバル関係者がとても良くして下さった。ドゥダメルに、「今日の演奏会にチャイコフスキーとR.シュトラウスを招待したかったですね」というと、嬉しそうに微笑んでハグしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 


アバド&シモン・ボリバル・ユースオーケストラ@KKL、ルツェルン

2010-03-20 00:30:00 | コンサート

ルツェルンのイースターコンサート、第一日目はアバド指揮、シモン・ボリバル・ユースオーケストラ。プロコフィエフ、ベルク、チャイコフスキー。

プロコフィエフはなかなか楽しかった。もともとお茶目な感じが好きな作曲家。ホールの素晴らしい響きも手伝って、音とは波動であり、エネルギーを持つものだと良くわかる。一方ベルクは、全くもってよくわからなかった。歌手の「叫び」の部分の楽譜がどうなっているのか見てみたい、とは思うが。

チャイコフスキーは交響曲第6番。想像通り、第3楽章が終わったところで拍手をする人が居た。いつもだと、「なぜここで拍手するかなぁ~、少しくらい予習してきてよ」と思ってしまうのだが、この熱演と、フェスティバルという性格上いつもクラシックを聴いている人ばかりが集まっているのではないことを勘案すると、止むを得ないかな、と、逆に「シーッ」とやっている人に対して、そんなことをしなくても、第4楽章は始まっているし、皆わかるのに、と思うのであった。

アバドとSBYOV-勿論、アバドは素晴らしい指揮者であるし、演奏をリードしているのは彼なのだけれど、エネルギーの流れ、という点ではSBYOV→アバドだと確信する。昨年彼をベルリンフィルで見たときには、病み上がりのおじいちゃん、だったが、今日はSBYOVからエネルギーをもらったからか、足が長くて格好良いし、彼の若い頃は相当凄かったのだろうと思って見ていた。

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ホテルと会場の間は湖を渡る船を利用した(画面右下の黒い建物がコンサート会場のKKL)。知り合った上流婦人達のフランス語会話を聞いていたら、皆昔からのアバドファンだということがわかった。昔のアバドは格好良かったのだろうなぁ。私も30年後くらいに、こんな風にドゥダメルの昔話をしたいものである(といっても、彼は30年経っても還暦を迎える前だから昔を懐かしまれてもいやがるだろうが)。