Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

マゼール指揮、ウィーンフィル-第二夜@バービカン、ロンドン

2010-03-04 00:30:00 | コンサート

さて、マゼール&ウィーンフィル第二夜は、ストラヴィンスキーの春祭とブルックナーの交響曲第3番。

春祭は昨年8月にザルツブルク音楽祭にてドゥダメル&ウィーンフィルで聴き、特に第一部で感銘を受けたことから、期待(マゼール&ウィーンフィルだし出来は良いはず)と不安(常に感動的な演奏を聴きたいとは思うけれど、ドゥダメルの演奏を忘れてしまうくらい良いのも辛い)というアンビバレントな気持ちで演奏会に臨んだ。

私自身の傾向が、速い曲はより速く、遅い曲はより遅く、を好むため、全体として心持ちテンポが遅いように感じられた。第一部の「春のロンド」Vivoに入る前の弦と金管の引きずるような場面では特に金管のちょっとおどろおどろしい感じや、第二部に入って、有名な11連打から「選ばれし生贄への賛美」へ入った”Vivo"な雰囲気は今でも印象に残っている。管には思ったほど感銘を受けなかったものの、パーカッションは第一日目も含めて良かったと思う。

指揮のマゼールはこれだけ変拍子の多い曲を、この歳で(この3月6日で80歳!)暗譜で振り切るのだから、本当にすごい人だと思う。脱帽。

後半はブルックナー。大好きなウィーフィルの弦の音を楽しむことができた。第二楽章は最初は甘く美しい弦の響きを楽しみ、また後半はワーグナー系のドラマチックな音楽を楽しむ。第三楽章のニ短調で「ラ♭シラソラ♭シ」がどんどん加速されていく感じを聴くと、ドゥダメルにこの曲も振って欲しくなる。彼の出自からくる哀愁を帯びたラテン舞曲を振る才能が遺憾なく発揮されるように思うのだ(全然ウィーンフィルの感想になっていない)。第四楽章は、ウィーンフィルのせいではなくブルックナーの問題なのだけれど、どうも終わり方がしっくりしない。

アンコールはブラームスのハンガリー舞曲第5番と第1番。第1番は昨日に比べたらかなり普通な演奏に聴こえた。昨日のあの演奏は何だったのだろう?