Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ラインの黄金@オペラバスティーユ、パリ

2010-03-17 00:30:00 | オペラ

友人との待ち合わせが夜の10時となったため、何か演奏会でも、と調べてみるとオペラバスティーユで「ラインの黄金」が。ワーグナーのオペラとしては短くて、丁度10時前頃に終わるのも良い、と軽い気持ちで行ってみた。

大変な人気で、席を購入したとき最後の2席の1つだった。前から3列目、中央より少し下手。思っていたよりずっと舞台も見やすく、勿論歌手の表情も良く見えるが字幕が見づらいのが難点。

演出は非常に現代的。ラインの乙女達の衣装(?)はなかなか刺激的。神話の世界にあっても、建築現場で働く若者達は労働者風だ。

黄金を巡る争いは、なかなかすさまじい。指輪を奪うために、アルベリヒは指を切断され、ファーゾルトは金の延べ棒で頭をカチ割られ。欲望がとどまるところを知らないのは、人間の世界だけではない(なんて、神話の世界を借りて人間の世界を語っているに過ぎないが)。

誰かの歌が非常に上手いわけでも、演出が非常に美しいわけでもないが、全体としてまとまっていてよい出来だったように思う。「ラインの黄金」はあくまでもイントロダクション。この後、どんな演出になってゆくのか、結局シリーズ全部を見たくなってしまう。ああ、日本に比べれば半分程度とはいえ単価の高いオペラはやめよう、と思ったばかりだったのに。相変わらず意思の弱い私である。