5月12日に発生した中国四川省の大地震は、死者1万名を超え、行方不明も2万人以上と地震被害としては未曾有の規模です。日本の阪神淡路震災において死者が多数出たのは神戸の老朽化した家屋が倒壊して下敷きになった人が多数出たからですが、今回の四川の地震でも学校や病院が倒壊して犠牲になった人たちが多いと聞き痛ましい限りです。
<災害時医療について>
大規模災害における医療には概ね3つの段階があります。初動の数日間はとにかく怪我をした人の救急医療が喫緊の課題です。外傷の処置と感染予防、埋もれた人の救出、数日間が勝負であり、緊急部隊をいかに手早く効果的に配置するか、医療環境の整った施設にいかに搬送するかに為政者(行政)の力量が示されます。今回温首相が陣頭指揮ということですが、指揮される部隊が10万人単位(10個師団)位いて、有機的に連携して活動しているのならば良いけれど、多分にパフォーマンス的な要素が強いようにも思います。
第2期は倒壊した家に帰れず、外や避難所で生活する人々が起こす急性疾患の発生です。風邪、肺炎、衛生状態の不良による伝染病の発生など、1週間前位から本格的な公衆衛生的対応が必要になります。また水や食料が十分でなければ治安も悪くなり暴動が頻発する可能性もあります。神戸では暴動的なものが全く無く、住民達の秩序立った助け合いの精神は各国から称賛されたことが素晴らしい。
第3期はそれまでの疾病に加え、もともともっていた持病や慢性疾患が悪化してくることによる疾患の増加です。私は阪神の震災の時に、神戸で3ヶ月間災害時医療を経験する機会を得ましたが、幸い1-2ヶ月位で通常の病院が立ち直ってきたので、第2期を乗り越える事でそれ以上病気の人たちが増えずに済みました。
<支援について>
我々が出来る事は、人と物の支援だと思います。金は物に変える事によって初めて価値が出ます。また物は被災者に届く事によって初めて価値が出ます。医薬品は使える医療者がいて初めて価値が出ます。今から日本ができることは第2期以降に役立つ支援だと思いますが、輸送手段と配布する手段が確保できるのならペットボトルの清潔な水、レトルトの食品などが一番役に立つように思います。人については14億人もいることですし、中国語ができる日本人は少ないですからかなり特殊技能を持った人に限られるでしょう。また人の支援について言える事は、自己完結能力(食べる、寝るを全て自分で賄う上で援助もできる)を持たない限り中国の奥地で支援などできないということです。ということは軍隊に限られるということで、確かに共産党としては容易に受け入れられないでしょう。
また支援について考えねばならないことは、中国は民情も行政の対応も日本とは全く異なっていることです。本来避難所になるべき学校が真っ先に倒壊し、空母やミサイルには金をかけても環境対策には日本の金をおねだりする国柄です。日本がこうだから中国も同じだろう、は100%誤りだと思います。災害対応をどこまで本気でやるか、情報公開をどこまで真剣に行って各国の支援を有効に受けてゆくか、がオリンピックなどより中国の国としての成熟度を見分けるポイントになると思います。
<災害時医療について>
大規模災害における医療には概ね3つの段階があります。初動の数日間はとにかく怪我をした人の救急医療が喫緊の課題です。外傷の処置と感染予防、埋もれた人の救出、数日間が勝負であり、緊急部隊をいかに手早く効果的に配置するか、医療環境の整った施設にいかに搬送するかに為政者(行政)の力量が示されます。今回温首相が陣頭指揮ということですが、指揮される部隊が10万人単位(10個師団)位いて、有機的に連携して活動しているのならば良いけれど、多分にパフォーマンス的な要素が強いようにも思います。
第2期は倒壊した家に帰れず、外や避難所で生活する人々が起こす急性疾患の発生です。風邪、肺炎、衛生状態の不良による伝染病の発生など、1週間前位から本格的な公衆衛生的対応が必要になります。また水や食料が十分でなければ治安も悪くなり暴動が頻発する可能性もあります。神戸では暴動的なものが全く無く、住民達の秩序立った助け合いの精神は各国から称賛されたことが素晴らしい。
第3期はそれまでの疾病に加え、もともともっていた持病や慢性疾患が悪化してくることによる疾患の増加です。私は阪神の震災の時に、神戸で3ヶ月間災害時医療を経験する機会を得ましたが、幸い1-2ヶ月位で通常の病院が立ち直ってきたので、第2期を乗り越える事でそれ以上病気の人たちが増えずに済みました。
<支援について>
我々が出来る事は、人と物の支援だと思います。金は物に変える事によって初めて価値が出ます。また物は被災者に届く事によって初めて価値が出ます。医薬品は使える医療者がいて初めて価値が出ます。今から日本ができることは第2期以降に役立つ支援だと思いますが、輸送手段と配布する手段が確保できるのならペットボトルの清潔な水、レトルトの食品などが一番役に立つように思います。人については14億人もいることですし、中国語ができる日本人は少ないですからかなり特殊技能を持った人に限られるでしょう。また人の支援について言える事は、自己完結能力(食べる、寝るを全て自分で賄う上で援助もできる)を持たない限り中国の奥地で支援などできないということです。ということは軍隊に限られるということで、確かに共産党としては容易に受け入れられないでしょう。
また支援について考えねばならないことは、中国は民情も行政の対応も日本とは全く異なっていることです。本来避難所になるべき学校が真っ先に倒壊し、空母やミサイルには金をかけても環境対策には日本の金をおねだりする国柄です。日本がこうだから中国も同じだろう、は100%誤りだと思います。災害対応をどこまで本気でやるか、情報公開をどこまで真剣に行って各国の支援を有効に受けてゆくか、がオリンピックなどより中国の国としての成熟度を見分けるポイントになると思います。