警察官をかたる男から振り込め詐欺のアポ電(事前連絡電話)とみられる不審電話を受けた焼津市内の50代の女性が、男を“撃退”するまでのやりとりを録音した。女性の毅然(きぜん)とした対応で、男が諦め、電話を切る様子が生々しく収められている。音源の提供を受けた焼津署は今後、防犯講話などに活用する予定。
女性宅に電話が掛かってきたのは23日午前10時半ごろ。「県警捜査2課のコバヤシ」と名乗る男が「あなたの保険証やキャッシュカードが悪用されている」と切り出した。
詐欺と直感した女性はボイスレコーダーで録音を開始した。きびきびと対応すると、男は「犯人を捕まえたが、共犯者を捕まえていない」「極秘捜査を行っている」と言葉に詰まりながら話した。女性が「どうしたらいいんですか?」と問い詰めると黙って電話を切った。時間にして1分40秒ほど。同署は女性の応対に男が臆し、現金を要求する前に諦めたとみている。
やりとりがあった23日、焼津市内では、警察官をかたる同様の不審電話が計16件あった。同署の船木隆弘生活安全課長は「警察官がキャッシュカードや現金を預かることはない。不審電話には毅然と対応してほしい」と話している。