実業団に所属しない異色ランナー2人の明暗が分かれた。26日の東京マラソンで、日本選手トップの2位となりロンドン五輪代表入りを確実にした藤原新選手(30)は無収入。レース後に「賞金に目がくらんで必死だった」と冗談を交えて笑顔を浮かべた。
藤原選手は2年前、駅伝中心の練習に疑問を感じJR東日本を退社。健康用品の製造・販売会社と3年契約を結んだが、同社の経営難から給与が支払われなくなり、昨年秋、契約解除に。足の故障も加わった。「収入もなく、どうしようかという状況だった」が、妻と1歳の長女を富山県に残し、単身で都内での練習を続けてきた。
「(自分に)値段が付けば」とハングリー精神を前面に出して臨んだ東京マラソン。2位の賞金400万円を獲得するとともに、五輪切符もほぼ手中に。レース後の記者会見で「五輪のない競技人生はあり得ない」と力を込めた。