ケアハウス ラポーレ駿河ってこんな処

静岡県静岡市にあるケアハウス「ラポーレ駿河」の楽しい生活を紹介します。

快適だってね?

2012年04月06日 | 地震防災関係

文部科学省が30日に発表した首都直下地震での震度分布図は、首都圏住民にショックを与えた。最大震度7の揺れから生活の場、そして貴重な財産の住居をどのように守ればよいのか。危機感が強まるなか、ある新工法が注目されている。この工法を採用した都内の家屋では、3・11巨大地震の際に住人が昼寝を続行したという。いったいどのようなシステムなのか。

 マグニチュード(M)7・3の東京湾北部地震が発生すると、これまで最大震度は6強とされ、全壊の木造建物は16万棟とされてきた。ところが山崎文雄・千葉大教授(都市システム安全工学)らの文科省研究チームは、最大震度が7に上がると全壊の木造建物は39万棟にはね上がると試算した。

 震度7を想像できるだろうか。例えば地面に脚を固定した椅子があったとしよう。その椅子に腰掛け、座面を両手でガッチリつかんでも振り落とされる。それほどの揺れだけに、古い家どころか耐震設計の住宅でも油断は禁物だ。

 大地震に対抗するため、耐震や免震の上をいく「断震」が脚光を浴びている。『どんな地震でも揺れない家の作り方』(学研)の著者で、建築会社経営の樋口健二さん(44)が普及を推進する「エアー断震」だ。地震発生時に家を丸ごと空気で持ち上げるシステムで、住居を地面の揺れから文字通り断ってしまう。「まずは自分の身の回りから」と、昨年2月、都内で新築した両親の住居(3階建て)に導入した。

 

 



 「昨年の3月11日、東京も震度5強の揺れに見舞われました。母は2階で昼寝をしていたのですが、最初のわずかな揺れで『揺れているな』とぼんやり思った後、そのまま眠っていました。それほど揺れから断たれた状態にあり、ひび割れなどの被害も皆無でした」

 エアー断震は2006年、茨城県の日本AIR断震システムが開発。屋内に設置したコントローラーが震度4以上の揺れを感知すると、圧縮空気を屋外のタンクからステンレス板で囲われた床下に放出する。家屋は約2センチ浮上し、1分ほどかけてゆっくり着地する。地震が続いている場合、着地後に再浮上して揺れから逃げる。空気の吹き出しはバッテリーの電源を使うため、停電してしまっても問題はない。蓄積した電気だけで4~5回は再浮上できる。

 同社によると「06年の開発から昨年の大地震まで、全国で約50棟に設置しました。震災後に問い合わせが急増し、現在までさらに50棟ほど増えています」(担当者)と、評判は一気に広がった。3・11地震時に「誤作動などのトラブルはなかった」(同)という。

 気になる価格は新築1棟あたり400万~500万円ほど。前出の樋口さんは「高級車1台分ぐらいの値段です。価値観は人それぞれですが、私は安全な家に住みたい」と語る。ただ、住宅の基礎部分を使ったシステムのため、新築物件のみ導入可能となっている。

 「新しく家を建てるとき、さらに500万円は出せない」という方には「制震テープ」という選択肢も。特殊ゴム製のテープで、建築時に柱と合板の間など家全体に貼り付ける。家を丸ごと「吸震器」にする発想で、樋口さんは「阪神大震災の1・2倍の負荷でも建物に損傷がなかったとの実験結果もあり、値段も1軒あたり50万~100万円弱」と説明した。

 最大震度7の首都直下地震に襲われたら、39万棟の木造建物が全壊するといわれる。39万分の1にならないためには、あらゆる知恵と技術を活用しなければならない。


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