24年ぶりに4強進出のニッポン女子バレー、久々に興奮である。エース木村沙織の成長度。アスリートとして美しく、たくましくなった姿は頼もしく見えた。
あのとき…。8年前のアテネ五輪で“スーパー高校生”は17歳だった。現地で中国戦をみたが、木村は腰痛のためほとんど出場機会がなく、チームもなすすべなく敗れた。4年後の08年北京もまた然り。それでもニッポンは、2度の挫折を知る木村の資質に賭けた。
「木村が崩れたらこのチームも崩れる。沙織はそういう立場にあるんだ」。北京後に就任した真鍋政義監督の言葉。苦痛を経験した人間は強い。練習でも試合でも「私が…」とばかりに率先してチームを引っ張る姿が見られたという。今月19日には26歳になる。最高の誕生祝いは84年ロサンゼルス大会以来、28年ぶりのメダルだろう。
ところで…。ニッポン選手団、やはり“女性上位”の活躍である。派遣数でも女性が上回っていた。そんなアスリートビューティーに、芸能界やテレビ各局が水面下で熾烈なスカウト合戦を展開していると聞く。
“1番人気”だったバドミントン・潮田玲子は、大会直前の熱愛告白で評価ガタ落ち。体操の田中理恵には非公式に打診があるとか。日体大の研究員として指導者を目指すようだが、「清楚、美形。女優やキャスターとしての魅力あり」という業界関係者の評価は高い。即転身でなくても、“旬”のうちにバラエティー番組など出演以来も殺到するだろうが、そこに錯覚が生まれやしないか!?
00年シドニー大会の競泳で“ちょいブレーク”したT島嬢。「女優になりた~い」とサッサと現役引退したが、結局は“女優もどき”で終わり消えた。美貌を買われてキャスターに転身したT中嬢は「化粧はうまくなったが、しゃべりは…」でいまひとつ。経験に美も加わればキャスターのニーズもあるが、マラソン解説の増田明美さんは鋭い洞察力と取材力があり、勉強熱心だ。簡単にしゃべっているようだが、実は“その後”も大変なのである。
それぞれの人生、好きな道を選べばいい。とやかく言うつもりはないが、人にはその人に合ったステージがある。素晴らしきアスリートたちよ、そこんとこ、ヨロシク! (産経新聞特別記者・清水満)