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腸管出血性大腸菌O(オー)157の感染で11日に死亡した札幌市の4歳の女児が、原因とされた「岩井食品」(同市)のハクサイの浅漬けを食べていたとみられることが16日、分かった。同市保健所は、女児についてもO157に集団感染した高齢者施設と同一原因の食中毒と断定した。
また、札幌市内の高齢者施設に入所していた80代女性も同日死亡。同市近郊の江別保健所管内で同じ施設にいた90代の女性2人も同日死亡した。3人はいずれも同社の浅漬けを食べており、集団食中毒による死者は6人となった。
札幌市保健所によると、女児の両親に問題の浅漬けを購入した記憶はなかったが、日ごろから同社製品を扱うスーパーで漬物を買っていた。女児の便と同社の浅漬けから出たO157の遺伝子型が一致したため、原因食材と判断した。施設の給食ではなく、一般に流通する製品による死者が確認されたのは初めて。
一方、同市保健所と北海道によると、新たに死亡した3人は下痢や血便などの症状を起こして入院。80代女性は0157に感染しており、溶血性尿毒症症候群(HUS)で死亡した。90代女性の1人は肺炎、もう1人はHUSで死亡とされたが、この2人からO157は検出されなかった。