シンガーソングライター、宇多田ヒカルさん(30)の母で、「圭子の夢は夜ひらく」で知られる歌手の藤圭子さん(62)が22日午前、東京都新宿区西新宿のマンション敷地内で倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが、間もなく死亡した。
関係者によると、飛び降り自殺を図ったとみられる。今年3月に恩師で作詞家の石坂まさをさん(享年71)の葬儀に姿を見せていなかったことから、関係者の間では「国内にいないのでは」とささやかれていた。
藤さんは1951年、岩手県出身。浪曲師の父・松平国二郎さん、浪曲師の母・寿々木澄子さんの間に生まれ、旅芸人として全国を回る両親とともに幼少期から歌手活動を開始した。
68年に上京し、69年に「新宿の女」でデビュー。翌70年に「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。71年、歌手の前川清と結婚するが、翌72年に離婚。79年に突然、引退し、その後、音楽プロデューサーの宇多田照實氏と再婚した。
96年には夫、長女の宇多田ヒカルさんとともに「藤圭子 with cubic U」の名で「冷たい月」をリリースしている。
2006年3月、米ニューヨークの空港で米国司法省麻薬取締局に4900万円相当(当時)の現金を没収されるトラブルもあった。ただ、差し押さえを根拠付ける証拠がなかったことから09年、没収された現金は全額返還されている。
宇多田照實氏とは07年に離婚した。
娘の宇多田ヒカルさんは母親譲りの異才を発揮し、数々の大ヒット曲を送り出していたが、10年8月9日、突然、自身のブログで活動休止を発表。突然の休止を不思議がる声が関係者の間であがっていた。