静岡空港が4日、開港2周年を迎えた。記念式典に出席した静岡県の川勝知事は報道陣に、「3年目の目標は70万人」と述べ、これまで「2013年度までに」としていた年間利用者数の目標を前倒しする考えを示した。
ただ、利用者数は1年目の約63万人から2年目は約51万人に減っており、達成は難しそうだ。
70万人という目標は、県が13年度までの目標をうたった新総合計画で、現在7路線の定期便を10路線に増やすという前提からはじき出した数値。しかし、東日本大震災の影響で国内・国際線とも利用者数は激減しており、国際線は運休が相次いでいる。8月からはフジドリームエアラインズ(FDA)が熊本線から撤退し、計6路線となるため、そもそも前提の実現も困難な状況だ。空港関係者の一人は「55万人が精いっぱい。2年目の利用者数から減らないだけでも御の字だ」と首をかしげる。
だが、川勝知事は「交通網も整備されつつあるので、追い風も吹いている。そこまでいけると思っている」と自信を見せた。
記念式典では、空港の国内就航先5か所(札幌、福岡、熊本、鹿児島、沖縄)の観光大使がマイクを取って地元のPRをしたほか、搭乗客には川勝知事らからウエットティッシュなどの記念品が配られた。空港西側の展望広場では、全日空などの協力で、福島県から札幌経由で空輸したキュウリやアスパラガスなどの販売も行われた。
友人2人と沖縄便に乗り込むという浜松市の女性(68)は「搭乗客が少ないので無理は言えないが、もう少しダイヤの選択肢を増やしてほしい」と不満を述べ、札幌便で静岡空港に戻った同市、会社員女性(63)は「利用者を増やすには、県内企業などに対してもっとPRが必要」などと注文を付けた。