弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【書評(20-07)】「黒猫の小夜曲」(知念実希人)

2020年06月18日 08時46分08秒 | 書評
おはようございます!
きのうまでとはうってかわって梅雨の空気に逆戻り…?な@湘南地方です。

医療ミステリーの名手である著者が、かなりファンタジーに軸足を置いた
「優しい死神の飼い方」の続編。なので興味ある方はそちらから先に。

死んだ人間の魂は「道案内」に導かれ、「我が主様」の元へ行く、という設定、
現世に未練を残している魂は地縛霊になってしまうところ、これを説得し未練を解消して導くべく
現世に召喚された(自称)「高位の霊的存在」。
その「高位の霊的存在」が現世で黒猫の肉体を器に、数々の魂を救済していく。
その過程で浮き彫りになっていく一つの大きな闇。

著者の作品は、シリアスなものの中にもほっこりした描写が織り交ぜられるのだけれど、
本シリーズは基本がほっこり、ときどきシリアス、くらいなバランス。
個人的には、がっつりシリアスな方が好きかな。

ショートストーリーがいくつか続くのかな?と思っていたら、
実は相互に関連する長編だった、という、著者の作品には珍しい構成。
医者でもある著者の死生観も垣間見えて良い。ちょっとだけ特許の話もでてくる。

「役に立たない」本を読むことも、長い目で見れば役に立つ、と思う。

コメント
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