弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【趣味】映画「世の中にたえて桜のなかりせば」鑑賞

2022年04月10日 08時37分31秒 | 趣味・その他諸々の雑記
おはようございます!
あたたかい、というか、むしろやや暑い、快晴の@湘南地方です。

さて、昨日は
朝からジョギング → 昼お仕事 → 夕方散髪 → 夜映画
でした。

夜観に行った映画が掲題の件



まあ、岩本蓮加目当てというのがきっかけ、というのは否定すべくもないのですが、
観に行く前から何となく、「これは映画館で観よう」と思っていた作品。

不登校の女子高生・咲と戦中生まれの老紳士・敬三、
“終活アドバイザー”として「終活屋」で働く70歳もの年の差コンビが、
様々な境遇の人たちの終活を手伝う。
やがてふとしたきっかけで、咲は敬三自身の終活の手伝いをすることに。。

派手なアクションシーンも無ければ、息をつく暇もないめくるめく展開があるわけでもない。
それでも、登場人物のやさしさに心の澱が浄化されていくような、そんな映画。
人によっては「退屈」と感じるかもしれないが、それぞれの登場人物の背景、過ごしてきた人生に思いを馳せながら観るととても立体的に見えてくる。

上映している映画館が少なく、どうやら公開期間も短いようなので、
ご興味持たれた方は是非鑑賞してみてほしいと思いました。


(以下、ネタバレが含まれるのでご注意)



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[作品全体を通じて]
宝田明さんの人生観というか、死生観が表れているなぁ、と思った。
敬三は終戦後に満州から引き揚げてきて、初めて桜の花の存在を知った(満州には桜がない)という設定だが、
これは宝田明自身の過去と重なるもの。
上でも書いたけど、登場人物が基本皆思いやりがあってやさしさに満ちている。
これから大きなチャレンジに臨む人、自らの終期を悟って人生掛けて取り組んできた仕事の集大成をする人…
宝田さんから見た「人」はこう見えているのか、あるいはそうあれかし、という願いなのか。

購入したパンフレットには、
「これで終わったわけではありません。もっと自分の想いを乗せた、次の作品を作りたいと思っているんです。」
とあるが、実はもしかしたらご自身の終活としての意味合いも、この映画にはあったのではないかと思ってしまう。

遺書は白紙のままでもよい、「必ず戻ってくるんだ」、という決意の顕れとして。というシーンが心に残った。

[映画初出演/初主演の岩本蓮加について]
この映画は宝田さん自身がエグゼクティブプロデューサー。
初めて作り手として作品を手掛ける中、思い描く役どころに、新鮮で手あかのついていない候補者を探していて
白羽の矢が立ったのが岩本蓮加。

正直、演技は拙いところ、これからというところは多々あったと思う。
それでも、作中に人間的な成長を遂げていく役である咲を演じるにあたって、それは作品的にはむしろプラスに働いていると感じた。
宝田さんとの共演シーンの空気感が作中の時間の経過とともに変わっていくことが感じられた。
岩本本人にとって、この作品が初出演/初主演であったことはとても良かったと思う。
今後女優としてキャリアを積んでいってくれたら、と思うととても楽しみ。

…てか、「じゃーん」の頃(当時13歳)からしたら、著しい成長だよなぁ。感慨深い。
コメント
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