弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【地域団体商標登録】「天明鋳物」

2023年01月27日 09時44分53秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今のところまだ空は明るい@湘南地方です。

金曜日。私事ながら朝からちょっと大きな決済を済ませ、
親の責任をまた一つクリア。気持ちも晴ればれ…と行きたいところです。

さてさて。今日はこんな記事。

(読売新聞onlineより引用)
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「天明鋳物」地域商標に 栃木県内10件目 ブランド力強化に期待/

栃木県佐野市の特産品「天明鋳物」が、特許庁の「地域団体商標」を取得した。市と佐野商工会議所、市内の鋳物事業者で組織する市天明鋳物振興協議会が取り組み、19日付で商標登録された。
天明鋳物は、一説によると、平安時代の豪族・藤原秀郷が、佐野に武具を作る鋳物師を連れてきたことが始まりとされ、1000年以上の伝統を誇る。
(以下略)
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(引用終わり)

出願人は「佐野商工会議所」。
商工会議所が法律上出願人適格を有していることはもちろん把握はしているのだけど、
農協とかと共同出願のケースが多いような印象(すみませんここちゃんと調べてません)。
実際問題、鋳物とは無関係な業種も多数所属しているであろう商工会議所が出願人となって手続を進めていく、ということのコンセンサスを作っていくのは、
そこはそこで難しい面もあったんじゃないかなぁ、と想像。

意見書をちょっと覗いてみた。
指定商品の中に「ベーゴマ」も含まれており、“これほんとに使ってるの…?”と思ったら、
実際出願人とは違う地域でのイベント「ベーゴマ会」に参加しており、地域外でも有名であることを立証している。
その他、出願人以外の使用についても丁寧に反論をしており、お手本となる対応だと感じた。

こういう、個々の取り組みを地道に取りまとめていくことが(本制度における)周知性立証には重要、なわけだけど。

果たして一つ疑問が。
「1000年以上の歴史を誇る」名産品であるこの「天明鋳物」、果たして「地域団体商標登録」を受けなければならない必然性ってあったんだろうか…?
そりゃもちろん“お墨付き”はあればあるほどよい、ということなのかもしれないけれど、
歴史の教科書にも載りそうな産品もまた地域団体商標登録される、というのはちょっと思ってなかった。
地域団体商標登録という制度自体が定着して一定の信頼感を得るに至ってきた、ということでもあるのかな。

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