おはようございます!
ぽそぽそ雨模様な@湘南地方です。
さて、今日はこんな記事。
(デジタル毎日より引用)
=======================
「SK-Ⅱ」の瓶に100均の化粧水入れ販売 少年を書類送検 売上額80万円
高級化粧品ブランド「SK―Ⅱ(エスケーツー)」の正規品の瓶に100円均一ショップで買った化粧水を入れて偽物を販売したとして、北海道警札幌東署などは22日、札幌市西区の派遣社員の少年(18)を詐欺や商標法違反などの疑いで札幌地検に書類送検した。インターネット上のフリーマーケットに定価の半額程度で出品し、約80万円を売り上げたという。
(以下略)
=======================
(引用終わり)
本件については色々なポイントが含まれている。
(1)「正規品の瓶」に「100円均一ショップの化粧水」を入れて販売する行為が「商標法違反」と言われているが、
例えば「100円均一ショップで買った瓶」に「正規品の化粧水」を入れて「SK-Ⅱ」とラベルを付して販売する行為は法的に問題があるか?
→これは、弁理士試験の勉強をしているときにも出てくるはなし。
このケースでも商標権の侵害を問われることになる。
「商標を、商品の流通の中途で故なく剥奪抹消する行為であり、商標権者が登録商標を指定商品に使用する行為を妨げ、商品標識としての機能を抹殺するもの」だから。
要は、本来発揮されるべき商標の機能を損なっているからダメ、ということ。
(2)ところでこの「SK-Ⅱ」という商標、通常はすんなりと登録にはなりにくい構成。
というのも、「SK」部分はアルファベット、「Ⅱ」はローマ数字、両者をハイフンで接続させたもので、商品の品番、型番として認識され独占対象になり得ない(商標法第3条第1項第5号)。
実際一番最初の出願においては、上記理由で拒絶され、不服審判において3条2項を主張し登録になっている(昭和63年審判第11261号)。
[3条2項とは?]
出願された商標が構成としては独占性が無い場合(例えばその商品の品質を普通に表したに過ぎない、ありふれた氏や名前のみからなる、極めて簡単かつありふれた標章のみからなる、など)でも、使用をされた結果識別標識としての機能を発揮するに至っている場合(=つまり、シンプルなマークだけどめちゃくちゃ有名になっていてもはや他人が使ったら却って勘違いが起きてしまうくらいになっている場合)、例外的に登録を認める、という規定。
実務上この主張をするときは結構“体力勝負”というか“物量勝負”(証拠の量の)となることが多い。やりがいはあるが机の上に証拠がうず高く積みあがる(笑)
…買う人がいるんだねぇ。まあネット販売だと、パッケージの細かな違和感とか分からないものなぁ。
出品者の信ぴょう性チェックにも限界があるだろうし、商標の保護の仕方、権利取得の仕方、パッケージングの仕方も時代に応じて変えていかないといけないものだと思う。
一度開封したら再貼付不能なバージンシールに商標を付しておく、とか。
或いは敢えて外箱の作りを弱くする、とか?
ぽそぽそ雨模様な@湘南地方です。
さて、今日はこんな記事。
(デジタル毎日より引用)
=======================
「SK-Ⅱ」の瓶に100均の化粧水入れ販売 少年を書類送検 売上額80万円
高級化粧品ブランド「SK―Ⅱ(エスケーツー)」の正規品の瓶に100円均一ショップで買った化粧水を入れて偽物を販売したとして、北海道警札幌東署などは22日、札幌市西区の派遣社員の少年(18)を詐欺や商標法違反などの疑いで札幌地検に書類送検した。インターネット上のフリーマーケットに定価の半額程度で出品し、約80万円を売り上げたという。
(以下略)
=======================
(引用終わり)
本件については色々なポイントが含まれている。
(1)「正規品の瓶」に「100円均一ショップの化粧水」を入れて販売する行為が「商標法違反」と言われているが、
例えば「100円均一ショップで買った瓶」に「正規品の化粧水」を入れて「SK-Ⅱ」とラベルを付して販売する行為は法的に問題があるか?
→これは、弁理士試験の勉強をしているときにも出てくるはなし。
このケースでも商標権の侵害を問われることになる。
「商標を、商品の流通の中途で故なく剥奪抹消する行為であり、商標権者が登録商標を指定商品に使用する行為を妨げ、商品標識としての機能を抹殺するもの」だから。
要は、本来発揮されるべき商標の機能を損なっているからダメ、ということ。
(2)ところでこの「SK-Ⅱ」という商標、通常はすんなりと登録にはなりにくい構成。
というのも、「SK」部分はアルファベット、「Ⅱ」はローマ数字、両者をハイフンで接続させたもので、商品の品番、型番として認識され独占対象になり得ない(商標法第3条第1項第5号)。
実際一番最初の出願においては、上記理由で拒絶され、不服審判において3条2項を主張し登録になっている(昭和63年審判第11261号)。
[3条2項とは?]
出願された商標が構成としては独占性が無い場合(例えばその商品の品質を普通に表したに過ぎない、ありふれた氏や名前のみからなる、極めて簡単かつありふれた標章のみからなる、など)でも、使用をされた結果識別標識としての機能を発揮するに至っている場合(=つまり、シンプルなマークだけどめちゃくちゃ有名になっていてもはや他人が使ったら却って勘違いが起きてしまうくらいになっている場合)、例外的に登録を認める、という規定。
実務上この主張をするときは結構“体力勝負”というか“物量勝負”(証拠の量の)となることが多い。やりがいはあるが机の上に証拠がうず高く積みあがる(笑)
…買う人がいるんだねぇ。まあネット販売だと、パッケージの細かな違和感とか分からないものなぁ。
出品者の信ぴょう性チェックにも限界があるだろうし、商標の保護の仕方、権利取得の仕方、パッケージングの仕方も時代に応じて変えていかないといけないものだと思う。
一度開封したら再貼付不能なバージンシールに商標を付しておく、とか。
或いは敢えて外箱の作りを弱くする、とか?