弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(著作権)】僕を食べて!

2020年10月22日 08時58分18秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
出張から戻りやっと落ち着いた今朝、@湘南地方 です。

なんかバタバタしてたなぁ。
まあ、焦っても仕方が無いので一つずつ片付けていきます。

さて、今日は同業の先輩から情報提供を頂いた、こんな記事

(朝日新聞DIGITALより引用)
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アンパンマン人形焼、無許可販売の疑い 「父から金型」

岐阜県警は16日、人気アニメ「それいけ!アンパンマン」のキャラクターを無許可で使い、お菓子の人形焼を移動販売車で売っていたとして、同県関市の露天商の男(45)を著作権法違反と食品衛生法違反の疑いで、経理などを手伝っていた妻の建築会社員(45)と販売していた関市と同県美濃加茂市の男2人を著作権法違反の疑いで、それぞれ岐阜地検多治見支部に書類送検し、発表した。4人とも容疑を認めているという。
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(引用終わり)

映像を視ていただくとわかるけど、
袋にははっきり「それいけ!アンパンマン」と表記されているのに対して横断幕では「アンパンカステラ」と表記している(「マン」がない)など、
ビミョーに悪意がある感じ。キャラクターの絵はモロだし。

話題になったのは、
“袋や横断幕は著作権侵害にあたるとして、「人形焼きそのもの」や「金型」はどうだろう?”というもの。

よく話題になるのは、「お菓子やケーキに著作権はあるの?」というものだが、本件はそれとは前提が異なる。
(ちなみにこの問いについて、巷の見解は“著作権はない”とする向きが多いが、ケースバイケースだと思う。
 パティシェが大会で作ったりするケーキなら十分著作物性があるだろうし、一般の手作りケーキなら認められる可能性はほぼないだろう)
本件で保護対象となる著作物はアンパンマンの絵であったりアニメ映像であったりで、
人形焼きはこれを「有形的に再生」する手段にあたる。
人形焼きで「実質的に同一」と言える程度に模することができるのか?という点は残るが、
この点をクリアすれば、複製権侵害にあたるのではないか、
従って金型も112条2項の「専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具」に該当し、著作権者等が求めれば廃棄対象となる、と言うのが当職の見解。

今までなんとなくなーなーで済まされてきたものが突如取りざたされることが増えてきたなあ、と思う。
父親から譲り受けた金型とのことだが、果たしてどうなることやら。

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