弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【実務関係(商標)】商品及び役務の区分解説(11-2022版対応)

2022年09月27日 09時56分46秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
気持ちの良い秋晴れの@湘南地方です。

9月も徐々に押し詰まって参りました。
やらなければいけないことを日々こなしていきます。


さてさて、
昨日特許庁からリリースされた掲題の件。
商標登録出願って、「標章(マーク)」とともに、そのマークを「どういう商品/サービスについて独占したいか」を決める必要がある。
登録を受けると、他人の後願を排除する効果は、同一又は類似の範囲にまで及ぶ。
「同一又は類似」というのは、「マークが同一/類似」で「商品/サービスが同一/類似」の範囲までが含まれる。

ということで、「商品/サービスの類似」という概念は、とても大事。
通常の審査では、その便宜のために各商品/サービスには「類似群コード」というものが振られていて、
原則この「類似群コード」が同一なら審査においては類似の商品/サービス、として取り扱われる。

で、どんな商品がどの区分に含まれてどんな類似群コードが付されることになるかについて解説をしているのが、
この「商品及び役務の区分解説」。

これ、特許庁はどういうコードの振り方をする、ということをあらかじめ開示してくれている、
という意味で、実務上かなり大事。
…といってもイメージ湧かないと思うので一例を挙げると、、、

例えば「菓子」。
以前は「第30類」で決め打ちだったのだが、数年前の改定から
「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。」は第29類、
「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)」は第30類になった。
でもどっちも類似群は30A01だから類似なのは類似。
じゃあなんで区分わかれてるんだよー!という疑問に対しては、以下の解説がフィット。

「菓子のうち、主として、果物、野菜、豆類又はナッツを主たる原材料とし、それらの根本的な性質を変えない程度の煎る、煮る、焼く、
 揚げる等の加工及び調味をしてなる商品は第29類に属し、それ以外の商品は本類に属します。」


で、更にややこしいのが、
「砂糖漬けのナッツ」は、砂糖で調理されていても根本的な性質や形状は変化していないから、第29類
「ポテトチップス」も、普通のやつは同様に第29類
でも
「チョコレート掛けしたポテトチップス菓子」(ROYCEのやつをイメージすると判りやすい)は第30類

ちなみに、
「ポテトチップス」の表記だと、「ポテトチップ菓子」(類似群:30A01)と「調理用ポテトチップ」(類似群:32F04)の両方を含む概念になる。

てな具合に、
日常生活だとそんな区分け意識しないよー、というやつについて事細かに解説してくれている。
それでもなお足りず、個別具体的に類否や該当区分を判断しなければいけないときも多々あるが、そんな場合も区分解説は参酌する材料になる。

その他にも、「調味料」はどこまでが「調味料」か、とかね。
「化粧品」も、他の法律(薬機法など)の規定よりは概念としては広い、とかね。

ま、「世間の」常識で実務にあたるとケガをしてしまう要素が満載なわけです。
あー、マニアック。マニアックだからこそプロの出番がある、というもので。
知識のアップデートのために、きっちりフォローしとかなければいけないわけです。

というわけで…うぉ、もう10:30か。今日も一日頑張ります。

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