弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設12年目!
本ブログがKindle本に!「アマゾン 三色眼鏡」で検索!!

冬らしくなってきた。

2016年12月07日 08時41分29秒 | 趣味・その他諸々の雑記
おはようございます!
昨夜から、急に冷え込みましたね。
凛とした空気の湘南地方です。


冬は、結構好きだったりします。
誰の詩か思い出せずググったのだけど、
冬が来た」→高村光太郎。

冬よ
僕に来い、僕に来い、
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

のフレーズが、初めて習った小学生の頃から頭の片隅に残っています。

冬だから感じるぬくもりとか、乾燥した空気とか、
呼吸で肺に流れ込む冷気とか。

結構、好きなんですよね。
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キュレーションとか、キュレーターとか。

2016年12月06日 08時53分50秒 | 趣味・その他諸々の雑記
おはようございます!
今日も快晴! 湘南地方です。

さて、今日はこんなニュース

(「Response.jp」より引用)
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DeNAが「MERY」を非公開へ…キュレーション全記事非公開

ディー・エヌ・エー(DeNA)は5日、同社のキュレーションプラットフォームサービスで唯一公開を続けていた「MERY」について、全記事の非公開化を決定したと発表した。MERYの全記事非公開化は7日を予定している。
DeNAでは、運営に関する疑義を明らかにする調査を行なうにあたって、サービス運営が停止していることが必要と判断し、MERYを含む全てのキュレーションプラットフォームサービスの記事の非公開を決定した。
DeNAのキュレーションプラットフォームサービスにおいては、根拠が不明確で誤った知識の提供につながりかねない医療関連記事の掲載を行なっていたという問題に加え、他の執筆者や媒体が作成した記事等について不適切な取り扱いをしているのではないか、またこれが組織的になされたものではないか、といった指摘がある。
(以下略)
======================
(引用終わり)


これまでずーっと、「“キュレーション”って、何?」と思ってたけど、
結構お世話になってたのよね。NAVERとか。

記載されている情報の正確性の問題は、とりわけ医療情報などの場合には重要。
誤った情報は健康を損ないかねない。
…そんなことを言う私も、痛風の情報とかアレの情報とかコレの情報とか、ネットで漁り読みするときは
知らず知らずとキュレーションサイトを活用している。

ただ、
・単一のサイトに記載されているだけでは信用しないこと
・複数のサイトに書かれていても出所が同じなら信用しないこと
・特に医療情報については、“誰が”言っているかは特に意識して読むこと、
 “誰が”言っているかがわかったら、その人についても検索して信ぴょう性を確かめること
は意識して活用している。

いわゆる、“ソースはどこ?”って奴です。
四大マスの情報ですら裏を取らないと重要な決定なんかできないくらいに信用は下がっているのに、
下手したら居酒屋のヨタ話レベルかもしれないWeb情報を、それ単体を頼りに判断して不利益な結果に至ったとしたって、
それは自分の頭で考えていないからいけないわけで。


別の側面として、我々の業界の観点からは「著作権の処理はどーなってんの?」というのは気になっていた。
たかだかこんなブログを書くときでさえ、引用のお作法にはそこそこ気を遣っているわけで。

キュレーションサイトの場合、多くは広告収入を期待して運営しているものと思われる。
現にDeNAにおいては、「キュレーションはモバイルゲームと並んで収益の柱となる事業だ。」と経営者自身が言ってきた経緯もある。
収益源として他人の著作物に依存すること自体の危うさ、なんて言ったら今どきやってられないのかもしれないが、権利処理とかしっかりすると労力もそれなりにかかると思うのだけどね。そこをすっとばしてやったら、目先の収益は上がるだろうけど信用は落ちるよなー。

やっぱり、情報を発信する側も、受け取る側も、
「自分の頭で考える」ということが大事なんじゃないかな、と思うのです。



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コントロールできる立場…てタイトルで書き始めたら。。。

2016年12月05日 08時23分22秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
曇りがちだった早朝から一転、今は青空が広がっている湘南地方です。

さて、今日はこんなニュースから。

毎日新聞より引用)
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高知・須崎市 しんじょう君の商標出願、民間に先越された

「ゆるキャラグランプリ2016」で頂点に立った高知県須崎市のご当地キャラクター「しんじょう君」を含む商品の商標登録を、民間業者が出願していたことが分かった。結果的に認められなかったが、今後「しんじょう君」が登録されれば、現在無料で認めているキャラクター使用が制限されるリスクがあり、市は商標登録を緊急に出願した。無名時代には費用対効果を考慮し登録に慎重だったが、人気が出て方針転換した。

======================
(引用終わり)


須崎市のHPがこちら
「しんじょう君」がページ内のあちこちに用いられている他、求人情報の名前が「かわうそ」だったり、
全面的にかわうそを押し出している。

キャラの専用ページも作られている(>コチラ)。
商品化は無償だが申請が必要、という点は「くまもん」方式。
…結構丁寧に作っている(=予算もかけている)印象のページ。

なのに、、、“費用対効果を考慮し登録に慎重だった”って。。。
インテリアにはお金かけるけど戸締りはしないおうちみたい。

知財の価値を実現するのは、必ずしも直接的なロイヤリティや自己実施による利益率/売上向上だけではない。
とりわけプロモーションに絡んでいる場合、「費用」と「効果」とは紐づけして認識できないことの方が多い。
もちろん、やたらめったら出願しても仕方ないが、事業を思い通りに動かすために参入障壁を作ったり、
直接収益に繋がらなくとも他者をコントロールできる立ち位置に立つことで全体としての投資効果を上げることができる。


…って話で今日は終わりにしようと思ったのだけど、記事を読み進めたり側面情報入手しているうちに
色々出てきた。収まりつかないのでちょっとだけ毒吐きます。



記事から読み取れる市のスタンスとして疑問に感じる点(勝手に取り上げといてすみません)。
「市は、申請してきた県内外の約100社に無料で使用を許諾している。」
「うち1業者が今年1月、同業者による類似品防止のためとして、しんじょう君を含む菓子名の登録を出願した。」
 ➡いや、ライセンス契約の中で“本件標章を含む商標について出願をしない”旨の条項がなかったのかしらん??
  あったら業者が債務不履行だし、なかったのなら業者は何ら悪くない。

「須崎市の場合、迅速に手続きを進めるため特許事務所に依頼し、念を入れておもちゃや飲料など複数の商品分類で出願したため、費用は約140万円かかる見込みという。」
 ➡…何区分出してるのかしら?10月に出願したのにJPlatPatでヒットしないけど。。。
  と思って、もしやと思って出願人名で検索してみたら、出願しているのはこちらでした。



…ちょっと意味が分からない。事案に対する処方箋になってない。
ま、経緯は当事者しか判らないので是否をここで言うのは適切ではないだろうけど、、、

これが登録になったとしても、他人が「しんじょう君」を出願した場合の障壁にもならないし、
他人が「しんじょう君」という語を使用することに対して差止等を行うこともできない。
更には、商標はキャラクターそのものを保護するのではなく識別標識を保護するもの。
禁止権が類似範囲まで及ぶといったって、同じモチーフ=類似 との判断にはならない。
そりゃ“取らないよりはマシ”だけど、取るならオフィシャルサイトにある顔部分のみのアイコンじゃないの!?

これで12区分も出している。意味不明。費用対効果という観点からは、いよいよ意味不明。
重要度高い区分でキャラ名と顔アイコンの2件出す方が保護範囲としては妥当なんじゃないか?

「市によると、海外の展覧会などにも登場しているしんじょう君は、米国のテレビ番組などで許可無く放送された例もあるが、海外での手続きには手が回りそうにないという」
 ➡仮に海外で商標登録をしたとしても、テレビ番組での放送を差止めることはできない。
  そもそもグッズを海外展開するとかいった事情がなければ、海外出願の必然性は今のところないと思う。


そして、記事にもいくつか言いたいことが(引用しておいてすみません)。
「結果的に認められなかったが」
 ➡記事全体から、商願2016-11560「しんじょう君ミレーサンド」のことを言っていると思われるが、同出願は現在も特許庁係属中(以下いずれもJPlatPat情報)。
  拒絶理由通知書が発せられているのは確かだが、JPlatPat上で確認できる限りは結論は出ていない
  (通常の応答期間内に応答した記録もないので放置している可能性もあるが)。
  しかも、拒絶の理由は「しんじょう君」ではなく「ミレーサンド」の方にあると思われる。
  「ミレーサンド」は、高知県内の別人が登録をしている(登録第5765296号)。
  「しんじょう君」の10号or15号or7号もあるかもしれないが、11号(先行登録との類似)は「ミレーサンド」が引用と考えられる。

  市が業者と交渉等して対応をやめさせたのならこれで終了している、といっても良いが、誤解を生む表現。或いは記者自身が誤解をしている。
  包袋とって確認しているならしっかり裏付け取材しているといえるけど。

「一つの商品分類だけなら経費も印紙代の10万円程度で済むこともあり」
 ➡印紙代だけなら12,000円+28,200円= 約4万円。代理人に依頼すると、ちゃんとケアする代理人なら10万円で済む方がまれだと思う。
  「済むこと『も』あり」なので虚偽ではないけど、弁理士会の報酬に関するアンケートとか確認取ってるんだろうか。


なんというか、せっかくコンテンツが評価されているのに、知財的には色々残念な例。
関係者の方に対する悪意はないです、念のため。ただ、残念。


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市場原理と補助金と

2016年12月02日 08時17分31秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
澄み渡る青空が気持ち良い湘南地方です。

さて、今日はこんな記事。


WEDGE Infinity より引用
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「クールジャパン」×「地方創生」の驚くべき〝惨状〟
無線LANにTPP対策まで、地方で広がる「何でもあり」

予算が出ると思って猫も杓子も使うマジックワードが、地域活性化分野ではその時代時代に存在する。
製造、流通、販売まで農業を一貫する「六次産業化」、都市を小さく集約する「コンパクトシティ」など列挙すればキリがない。
近年は「クールジャパン」と「地方創生」もまさにこのマジックワードの部類に入るが、この合わせ技で予算を獲得する事例が出てきている。

世界が知るクールジャパンといえば「忍者」という話になり、2015年度における地方創生関連交付金で合計約1億7200万円の予算がついた。
さらに、この予算活用のために忍者にゆかりのある三重県・神奈川県・長野県・滋賀県・佐賀県、さらに伊賀市・甲賀市・上田市・嬉野市・小田原市などが発起人となり、日本忍者協議会まで設立された。
とはいえ、内容としては忍者を用いたイベント開催や忍者PR動画を入札して外注するという極めて古典的な手法となっている。結局は、代理店などへの外注頼みの「忍者」事業なのである。



従来から地域活性化は予算を獲得するための名目としてマジックワードを活用してきた。
そして、成果が出ても出なくても責任を求められない目標を掲げ、結局はバブル崩壊の煽りだの、リーマンショックの影響だのといったその時々のマクロ要因に責任を押しつけ、個別事業の責任はないといったような極めて適当な総括をして終わりにしてきた。
そのようないい加減な事業運用の成れの果ての姿が現在の地方である。

======================
(引用終わり)

民間が手を挙げないような不採算事業に補助金を幾ら突っ込んだところで採算が改善するわけもなく。
市場原理を反故にしてまで“地方の隠れた資源”をゴリ推ししても定着はしない。

雇用対策などと違い、地域へのテコ入れのための補助金に永続性を持たせること自体が矛盾。
一方で伸るか反るかなプロジェクトだと民間での資金調達も容易ではなく、
結果手を変え品を変えた補助事業を食いつなぐ、という負のスパイラルに陥る。
正直者がバカを見る仕組みになっている、ということなのか…。


そういえば今年、うちも小規模事業持続化補助金を申請しようかと一時期検討したことがある。
結果面倒くさくて(というか、その手間をかけるなら本業を普通に頑張ったほうが採算が良い、とか色々考えて)
やめたのだが。。。
一方で雇用関係のキャリアアップ補助金は、要件もハマるし事務所内の制度見直しの機会にもなるので申し込んだ。

なんというか、「複数年契約は選手をダメにする」といったのは野村克也だが、
「補助金は会社/地域をダメにする」ってのも当てはまるんじゃないかな、とまで思う。
要は、真剣味がなくなるのじゃないか、と。
もちろん、複数年でもしっかり活躍する選手もいればそうでない選手もいるように、
補助金をしっかり活用できる会社や地域もあるとは思うけれど、
モラルハザードはあるだろうなぁ。

全てが市場原理に基づいて考えるべきものとは思わないけど、
償還不要なお金を人様から受け取る以上、お金ではない別の形で社会に貢献する取り組みとしなければ間尺が合わないと思う。

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方向感

2016年12月01日 08時20分03秒 | マネジメント
おはようございます!
雨降りで始まった師走の朝の湘南地方です。

そう。今年も実働は20日を切っているのですよね。
一日一日を大事にしなければいけません。


最近、自分個人としてどちらの方向に向かっていきたいのか、の意識が
希薄になっている気がします。
流されているわけではないんですけどね。
求められたこと、やらなきゃいけないこと、を順にやっていると
やりたいこと を考える時間が減っています。

組織としての方向感は、良い感じででていると思うので、
それで良しという考え方もあるのですが、
個人としてどうなりたい、というところも、自分の気持ちときちんと向き合わないとな。

そんなことを思ったのは、(FBでは書きましたが)
ひょんなことで近所の小学生と遊んでいた時に問われた
「ねえ、しょうらいなにになりたいの?」
というピュアな質問がきっかけ、なのかもしれません。

やっぱり、カッコいいおじいちゃんになりたいなぁ。
そのために今も修行している、と考えれば、今やっていることはそんなに間違ってないと思うけど、
でももっとできることもあるかな、とも。
いや逆かな。集中して取り組む重点項目を決めて掘り下げる、ということが
おろそかになっている。

年末ですものね。
経営計画の見直しとともに、人生設計の見直しもする時期です。
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