1912年、シフ一党の横暴が目に余るという世間の厳しい批判を受けて、議会で論争が巻き起こり、就任後間もないウィルソン大統領も、シフ傘下のいわゆるユダヤ銀行トラスト(銀行連盟)にメスを入れる調査委員会の設立を認めざるを得ませんでした。
調査委員会の報告書によれば、ユダヤ銀行トラストは実在して、
「5行の巨頭銀行より成り、この5行は他の112行の重要銀行を管理し、これらの銀行は、全米はいうに及ばず、遠く海外の重大工業カルテル、金融カルテルの支配権を、完全に手中に収める。 ユダヤ銀行トラストの資本総額は、約222億ドル(約600億円、1912年当時、フランスの富の3分の2に相当する)に達する」とこことでした。
そして、シフのユダヤ銀行トラストの上には、「ロスチャイルド王朝」があったので、国際ユダヤ財閥の富は、おそらく世界の富の過半に及ぶと推定され、全米が震え上がったのです。
この年、ロンドンにおいて、アルフレッドの弟レオポルドは、N・M・ロスチャイルド&サンズがあるニューコートから車で出てきたところを銃で5発撃たれ、本人は無事でしたが警護の警察が重要を負う事件が起きました。犯人は狂人であったと伝えられましたが、様々な憶測が流れ、ロスチャイルド家の警護は厳重を極めました。
。
ウィルソン大統領は、「貨幣発行権を政治的に留保し、信用供与のための地方分権的な銀行制度を樹立する」と
公約して当選しました。
したがって、当然、国民から大反対があった共和党の「オールドリッチ法」を修正して、骨子を残しながらも、見かけはウィルソン大統領と民主党の選挙公約に沿ってカムフラーシュを施すことが必要でした。
そうして、苦心惨憺して出てきたのが「オーウェン・グラス法」という名の連邦準備法でした。
「オーウェン・グラス法」は、民主党が反対していた「オールド・リッチ法」とは実質上は、名前以外はほとんど同じという法案でした。
しかも、この「オーウェン・グラス法」に対し共和党のオールドリッチなどが激しい非難の声をあげるという茶番付きでした。
「オーウェン・グラス法」という名の連邦準備法を実質的にまとめたのも、ポール・ウォーバーグと言われています。 黒幕はやはり、アルフレッド・ロスチャイルドでした。
マスコミは、こぞって議会の勇断を賞し、それに騙され国民はアメリカの政治いまだに健全なりと安堵したのでした。
1913年12月、連邦議会において、民主党が提出した「オーウェン・グラス法を」、徹底反対する上院議員たちがクリスマス休暇に入った23日を狙って強引に通過させ、ウィルソン大統領が署名しました。
1844年の「ピール銀行条例」と1913年の「オーウェン・グラス法」とは、ともにロスチャイルドが主導したことに加え、法律の主旨がぼかされていることでも、二大政党の談合で生まれた事でも似ています。
百年スパンの計画行動です。 歴史的にアメリカ国民は中央銀行創設に反対していましたから、準備は少数の銀行家たちによって密かに進められ、成功しました。
ナサニエルは1915年に亡くなりますが、この時期、弟アルフレッドが実質的に采配を振るっていました。すぐに、ウィルソン大統領によって連邦準備制度の5名の創立委員が指名されました。
創立委員長の名が「ユダヤ財閥の魔王」シフの義弟にあたるポール・ウォーバーグであること知って、アメリカ国民は唖然とし、次に「いったいどういうことだ」と呻(うめ)いたのです。
当初からのシナリオ通り、アメリカ合衆国に民間所有の中央銀行、すなわち私的な大株主に支配されたミューヨークの銀行が出資する連符準備制度銀行が、無理やりつくられていくのです。
このアメリカ合衆国の連邦準備制度で創造される法外な巨額のマネーを支配する限り、ロンドンも世界の金融センターであり続けます。
ちなみに、アメリカの当時の大企業は、鉄鋼業や繊維産業も。イギリスの貴族や富豪たちが大株主として並んでいました。
次の投稿は、 民間所有の中央銀行「連符準備制度」の仕組みです。
ロスチャイルド財閥ー63 ユージン・メイヤー 軍産複合体
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ロスチャイルド財閥ー61 M・M・ウォーバーグ商会
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ロスチャイルド財閥ー60 連邦準備制度に全米で反対運動
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ロスチャイルド財閥ー59 ジキル島の秘密会議
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ロスチャイルド財閥ー53 日露戦争講和が革命に対した影響
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ロスチャイルド財閥ー52 第1次ロシア革命
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ロスチャイルド財閥ー51 日露戦争
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ロスチャイルド財閥ー50 レーニン と ロンドン
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ロスチャイルド財閥-49 世界最大級の富豪ロシア・ツァーへの反発
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ロスチャイルド財閥ー48 ロシア南下と日英同盟
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ロスチャイルド財閥ー46 第一次世界大戦 欧米列強
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ロスチャイルド財閥-45 第一次世界大戦 ドイツの3B政策とイギリスの3C政策
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ロスチャイルド財閥ー23 アームストロング社
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ロスチャイルド財閥ー22 藩王国(はんおうこく;princely state, native state, Indian state)
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ロスチャイルド財閥ー21 ロイター通信
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ロスチャイルド財閥ー18 キューリー夫人
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ロスチャイルド財閥-17 ナディーヌ・ロスチャイルド
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ロスチャイルド財閥-16 自動車産業
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ロスチャイルド財閥-15 植民地アルジェリア
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ロスチャイルド財閥-14 鉄道事業への参入
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ロスチャイルド財閥ー13 ゴールドラッシュ
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ロスチャイルド財閥ー12 ワデスドンマナー
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ロスチャイルド財閥ー11 合衆国銀行
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ロスチャイルド財閥ー10 イングランド銀行
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ロスチャイルド財閥-1 先祖
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