バイデン政権は中東地域での戦闘拡大を懸念する=ロイター
【ワシントン=中村亮】
米紙ワシントン・ポストは27日、バイデン政権がイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの大規模な地上侵攻に反対していると報じた。
戦闘が中東の広い地域に拡大し、ガザにいる人質へ危険が及ぶと懸念する。
ワシントン・ポストによると、米国は代わりにガザを実効支配するイスラム組織ハマスの重要施設やインフラに攻撃対象を絞った限定的な作戦を促している。
ハマス壊滅を掲げるイスラエルに関し、米国は達成困難との見方を強めている。
イスラエルが大規模な地上侵攻を実施すると、バイデン政権は周辺国の親イラン武装勢力がイスラエルや中東駐留米軍への攻撃を激化させる可能性が高いとみる。
ハマスが拘束中の人質をめぐる解放交渉も難しくなる公算が大きい。
バイデン政権は、イスラエルが大規模な地上侵攻を断念するとの確証は得られていないという。イスラエル軍はガザとの境界に大規模な部隊を結集させており、局地的な地上作戦を実施してきた。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は27日、記者団にイスラエルの軍事作戦の詳細にコメントを避けつつ「イスラエルは我々の知見を歓迎していると思う」と話した。
作戦に関し「最終的にイスラエルが決める」と繰り返した。
オースティン米国防長官は22日、米ABCテレビのインタビューでガザ地上侵攻について「市街地での戦闘は非常に難しい」と指摘した。
ハマスはガザで巨大な地下トンネル網を築いており、地上作戦の難度が上がると分析していた。
日経記事 2023.10.28より引用